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廃止対象の横須賀市万代会館 「存在知る機会に」 来月4日に市民らイベント

社会 | 神奈川新聞 | 2014年9月17日(水) 03:00

10月にイベントが開かれる万代会館(横須賀建築探偵団提供)
10月にイベントが開かれる万代会館(横須賀建築探偵団提供)

横須賀市の公共施設の配置を見直す計画案で廃止対象となっている市万代会館(同市津久井2丁目)で10月4日、イベント「横須賀の茅葺(かやぶ)き民家万代会館に集う」が開かれる。建物の見学会や、「万代順四郎と青山学院」と題した講演会が企画されている。主催する横須賀建築探偵団(富澤喜美枝代表)は、「万代会館は横須賀にある歴史的建造物の一つ。建物の存在を知ってもらう機会になれば」と話している。

イベントは地域活性化を目的にした「湘南邸園文化祭」の一環。会館は京急線津久井浜駅から徒歩5分ほどで、約4100平方メートルの敷地に、かやぶき屋根の木造平屋3棟が立つ。建設時期は定かではないが、戦時中、帝国銀行の頭取を務めるなどした万代順四郎氏(1883~1959)が住んだ場所として知られる。

同氏は戦後、公職追放により財界を引退。47年から同所で暮らし始めたとされる。その後、公職追放が解除されると、ソニーの会長などを歴任。母校の青山学院の理事も務め、「青山学院万代奨学金」を提唱した。

邸宅が万代会館として開館したのは80年。トミ夫人の遺志で、市に寄贈されたことがきっかけとなった。開館後は無料開放され、市民の文化活動の場として活用されてきた。主に戦前までの建物を見て歩く活動を続ける同探偵団でも90年代前半に初めて訪ねて以来、会合を開くなど定期的に活用している。2011年度の利用者は約3800人という。

14年度中に「施設配置適正化計画」の策定を目指す市は、計画案の中で15年度からの38年間に、所有する公共施設の総量を17%減らす目標を設定している。同会館は老朽化が進んでおり、民間売却などの廃止対象となっている。財政部資産経営課では「10月中に実施するパブリックコメント(意見公募)も判断材料にしたい」と話している。

富澤代表は「まずは足を運んでほしい。建物の歴史などに触れる中で『大事だね』といった声が上がり、施設のあり方が見直されるきっかけになれば」と期待している。

参加費千円。午前10時~午後3時半(出入り自由)。講演は午前11時~正午。当日受け付け。問い合わせは富澤代表電話090(4016)2265。

【神奈川新聞】

 
 

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