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ワクチン新治療確立へ 神奈川県立がんセンターが治験開始

社会 | 神奈川新聞 | 2014年9月11日(木) 03:00

神奈川県立がんセンター(横浜市旭区)は10日、膵臓(すいぞう)がんが進行して有効な治療法がない患者に対し、がんワクチンの投与による新たな治療法の確立に乗り出す考えを明らかにした。手術、放射線治療、化学療法に次ぐ第4のがん治療として国内外から注目を集めている分野。4月に新設した「がんワクチンセンター」で近く治験(治療の臨床研究)を始め、実用化に向けて効果や副作用の検証を進める。

がんワクチンは、人間が本来持っている免疫の働きを活性化し、がん細胞を排除する治療法。近年、がん細胞の表面に、がんの目印となるような分子(ペプチド)が見つかり、臨床研究が進められている。

今回、治験で使用するのは、がん細胞表面の分子を分析して作られた「がんペプチドワクチン」(サバイビン2B)。注射による投与で、がん細胞を攻撃するリンパ球の一種「キラーT細胞」を活性化させる効果があるという。

県立がんセンターの大川伸一がんワクチンセンター長は「がんの進行を抑える効果がすでに確認されている。さらに検証を進め、将来の薬事承認を目指したい」と話している。

治験では、(1)サバイビン2Bを皮下注射するグループ(2)免疫力を高める効果があると見込まれるインターフェロンと併用するグループ(3)どちらも使用しないグループ-に分けて効果を比較する。東京大学医科学研究所付属病院、札幌医科大学付属病院と共同で実施し、患者71人を対象にする。また、食道がんや膵臓がんに関する2種類のがんワクチン臨床試験も行う。

同センターは、治験に協力する患者を募集している。問い合わせ、申し込みは、県立がんセンター電話045(520)2227。

【神奈川新聞】

 
 

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