干潟の自然に触れてもらおうと、多摩川に隣接する川崎市環境総合研究所(同市川崎区殿町)で7日、生き物観察会が開かれた。参加した親子らは干潟に生息する生物の生態を楽しく学んだ。
身近な自然環境や生物の多様性に興味を持ってもらいたいと同研究所が企画した。あいにくの雨で干潟に入ることはできなかったが、同研究所のスタッフがさまざまな生き物を捕獲。マハゼ、ボラなどの魚や、ヤマトオサガニやチゴガニといった干潟にすむカニを室内で観察した。
講師を務めたサイエンティフィック・イラストレーターの江良弘光さん(41)は「ヤマトオサガニは長い目をしていて、ハサミを上げるダンスをします」などと説明。子どもたちは好きな生き物をじっくり観察しスケッチに挑戦した。
参加した男児(11)=同市多摩区=は「クロベンケイガニが好き。ハサミが紫色で毛が生えていて、ほかのカニと違う」。母親(41)は「川崎の干潟にこんなに多くの種類が生息しているなんて」と驚いていた。江良さんは「干潟の環境は急速に失われつつある。潮の満ち引きで変化する魅力的な場所だということを知ってほしい」と話していた。
【神奈川新聞】