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「規制のビーチ ”2014夏@湘南」(8)浮かぶ課題 鎌倉、逗子のにぎわい方が対照的に

社会 | 神奈川新聞 | 2014年9月7日(日) 03:00

真夏の由比ガ浜海水浴場。若者客を中心に、所狭しとビーチパラソルが並んだ=8月3日午後
真夏の由比ガ浜海水浴場。若者客を中心に、所狭しとビーチパラソルが並んだ=8月3日午後

湘南の海水浴シーズンが幕を閉じた。昨夏、海の家の「クラブ化」に揺れた鎌倉と逗子のビーチは今夏、ともに市の条例による規制の下で運営されたが、鎌倉には音楽や酒を求める若者が集まった一方、逗子には家族連れが集うなど、そのにぎわい方は対照的だった。それぞれの関係者は課題を見据え、来夏に向けた検討を始めている。

「ひどかった」。鎌倉・由比ガ浜海水浴場を望む住宅地に住む60代の自営業男性は、苦い顔で振り返る。「酔って騒ぎふらふら歩く若者や、上半身に水着を着けていない女性までいた」

入れ墨の露出や過度の飲酒禁止などを努力義務とし風紀改善を狙った鎌倉市のマナー向上条例は、「効果はなかった」と言い切る。8月上旬には白昼、強姦(ごうかん)事件も発生。男性は、変貌してしまった夏の鎌倉を憂えた。

鎌倉の3海水浴場で目立ったのは、若者の姿だった。千葉県浦安市の女性(21)は、ライブハウスから流れる音楽に聞き入りながら、「音楽はある方がいい。だから(逗子ではなく)こっちに来た」。逗子は音楽が全面禁止だが、鎌倉は80デシベルまでは認められている。この女性は騒音被害に理解を示しつつ、「何かを排除するのは良くない」とも感じている。

鎌倉市によると、条例に基づく迷惑行為の注意件数は、海水浴場開設2カ月間で計6191件。1日当たり約100件に上る計算だ。来場者数は約92万7200人と昨夏より1割減ったが、来場者のマナーや風紀の乱れなどで市に寄せられた苦情は60件と、昨夏の31件から倍増した。

クラブ化はなかったものの、「風紀の乱れが大幅に改善されたとは捉えていない」と受け止める松尾崇市長は、来夏に向け砂浜での飲酒の規制などを検討するとしている。

一方、「日本一厳しい」規制を自称した逗子海水浴場。

「静かになって本当に良かった。もう以前のようには戻ってほしくない」。海水浴場の目の前の住宅地に住む40代の主婦は、安堵(あんど)の表情を浮かべる。「ここ数年、怖くて海には行っていなかった」という。

同じく海岸沿いに住む男性会社員(36)は「条例で規制するのは簡単。それ以外にできる方法も考えないと。海を寂しくすることを、市も求めているのではないはず」と訴える。

静けさを取り戻した半面、来場者数は約20万1300人と昨夏の半分にまで減った。平井竜一市長は「音楽イベントが行われるようになる前に戻った」と評価。昨夏48件あった風紀に関する市への苦情は、今夏は0件だった。

懸案は残る。条例に反発、市に取り消しを求める訴訟を起こした海の家は、市の条例などに準拠した自主ルールで営業したが、同じテーブルで協議できない状態が続いている。市民にも、飲酒などで規制緩和を求める声はある。

逗子市は市民らでつくる検討会で、来夏以降の規制のあり方について議論を続けている。委員の1人は、「まちの将来にも関わること。真剣に議論したい」と気を引き締めていた。

【神奈川新聞】


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