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図書館昼間も無人 秦野市公民館 機械で貸し出し・返却

社会 | 神奈川新聞 | 2014年9月5日(金) 10:00

完全無人化された台湾の図書館(TRC提供)
完全無人化された台湾の図書館(TRC提供)

秦野市は来年2月から、本町公民館(同市入船町)の図書室で、入退室から貸し出し・返却に至る全工程を完全機械化した「無人貸出サービス」の実験を始める。期間は2年間。図書館の総合支援を行う図書館流通センター(TRC=東京都文京区)が全面協力する。夜間の無人図書館は国内でも数例あるが、昼間の完全無人化は全国初の試みだ。省力化のほか、利用傾向に合わせた蔵書編成などが期待できる。

図書室に新たに設置されるのは入退室ゲートと貸し出し・返却の機械。蔵書にICチップを埋め込み、機械に読み取らせればセルフサービスで手続きが行える。予約図書の受け取りに同様の機械を入れたり、夜間に限定して無人化したりした例はあるが、開館時間すべてで無人化するのは全国初という。

同公民館はイオン秦野ショッピングセンターと隣接し、買い物客ら地域外の人も回遊するため、市内の公民館図書室では最も利用率が高い。市は無人化に向け蔵書約6500冊にICチップをつけ、蔵書のジャンル編成についても、立地や利用者層を考えて調整していくという。

完全無人化は、すでに台湾では駅や地下街などの小規模図書館で展開されている。気軽で便利に活用でき、利用率も高いという。

司書がいないこうした図書館は研究や調べ物には不向きなため、蔵書は小説や雑誌などの「読み物」が中心だ。IC化によるデータ収集で、図書館ごとの本の利用傾向がつかみやすく、蔵書の有効活用にもつながっているという。

さらに期待されているのが、維持管理費の抑制だ。TRCの宮田祥一郎さんは、「日本の図書館政策は中央館(本館)とは別に、歩いて行ける距離に分館を、と造ってきたが、人件費などの維持費が重くのしかかっている」と話す。秦野市内では11公民館すべてに図書室があり、それぞれ3人程度がシフト制で勤務しているという。

図書館経営に詳しい東洋大学の南学客員教授も「自治体の財政難で図書館の予算が減る中、機能分化として単純な貸し出しは無人化するなど、土地柄や立地環境に合わせた形態をもっと考えていくべき」と指摘する。研究調査や地域史収集、読み聞かせなど多様な機能を各図書館が「役割分担」することで、人や予算をより効率よく配分していこうという考えだ。

実験は市が進める「公共施設再配置計画」の一環で、図書館振興財団の助成金1千万円を活用し、残りの1500万円はTRCが請け持つ。市公共施設再配置推進課の石原晋吾さんは「うまくいけば、改築予定の小田急線秦野駅前のビルに無人図書館を設置することなども検討したい」と期待していた。

【神奈川新聞】

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