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旧日本軍の地下壕見つかる 横須賀市内の住宅で最大規模

社会 | 神奈川新聞 | 2014年8月29日(金) 03:00

住宅地で見つかった高さ約2・4メートルの地下空洞。地下壕はこの約4・1メートル下にある。元はあった土が地下壕に流れ落ち、この空洞ができたとみられている=横須賀市太田和
住宅地で見つかった高さ約2・4メートルの地下空洞。地下壕はこの約4・1メートル下にある。元はあった土が地下壕に流れ落ち、この空洞ができたとみられている=横須賀市太田和

横須賀市太田和1丁目の住宅の下で、旧日本軍が掘ったとみられる地下壕(ごう)が見つかった。高さ約2・6メートル、幅約2・9メートルで、確認された延長は約76メートル。崩落の危険性があるため、市は今冬から埋め戻し工事を行う方針。規模は約580立方メートルで、市内でこの10年に埋め戻した同種の地下壕では最大となる。

市によると、昨年12月に現場の住宅地で陥没した部分があるのを住民が見つけ通報。地表から約2・4メートルの深さまで、空洞になっていることが分かった。

周辺の住民に聞き取りをしたところ、付近に地下壕があったという証言を得た。さらに、県史編集室が収集した「昭和21年戦時下陸海軍防空地下施設関係書類」という公文書に、付近に延長250メートルの横穴式防空壕があったという記述があった。

市は今年2月から5月にかけ調査を実施し、12月に見つかった地下空洞よりさらに深い、深さ約6・5メートルの地中に、地下壕があることが判明。6月からの追加調査を含め、地下壕は少なくとも約76メートルに及ぶことが分かった。

地下壕は上空から見ると「口の字」形を中心に各辺の壕が延びたりしている形状で、垂直面で見るとほぼ水平に掘られている。一帯は斜面地で、最も深い地点では16・5メートルの地中にある。地下壕の一部は水没している。

地下壕の上には、少なくとも2軒の家が立っている。最初に地下空洞が見つかった家は1996年に開発が許可されているが、市によると、地上に建造する構造物に地盤が耐えられるか審査をしたところ、問題はなかったという。

今回の埋め戻し工事の総額は約4600万円。地下壕の中にセメントなどの充填(じゅうてん)剤を注入する。市内では2004年と09年にも旧日本軍などが築造し「特殊地下壕」と位置づけられる地下壕を埋め戻しているが、それぞれ125立方メートル、68立方メートルで、今回の規模の大きさが際立っている。

【神奈川新聞】

 
 

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