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野生動物の農作物被害 県内は1億4246万円

社会 | 神奈川新聞 | 2014年8月21日(木) 15:26

自衛策として農家が設置した、サルの侵入を防ぐ電気柵=厚木市内
自衛策として農家が設置した、サルの侵入を防ぐ電気柵=厚木市内

県内市町村の2013年度の野生動物による農作物被害状況がまとまった。県央地域では、ニホンザルを中心に被害額が最も多い厚木市が1057万円(被害面積約13ヘクタール)となったが、前年度より3割減った。同市は「山に木の実などの食料が豊富で人里に出没する野生動物が少なかった」と見ており、防止対策を継続する。

県が6日に公表した農作物調査によれば、県内全体の被害総額は1億4246万円(被害面積約130ヘクタール)。過去10年間で最悪だった12年度より8313万円減少した。県央地域においても、669万円減の1297万円(約15ヘクタール)になった。

厚木市の被害は県央地域で突出している。13年度の動物別は、サル483万円、シカ291万円、カラス86万円、ハクビシン60万円など。作物別は野菜608万円、果樹297万円、イモ類105万円など。

■サル被害多発 県内ではイノシシ被害が最も多かったが、同市ではサルがほぼ半数を占めているのが特徴だ。市内を行動域とするサルの群れが比較的多いためという。

13年度末現在、鳶尾群80頭、経ケ岳群41頭、煤ケ谷群44頭などが確認されている。市は07年度から11年度までに総延長25キロの電気柵(獣害防護柵)を設置、追い払い隊の活動・支援などの防止策を講じてきた。

管理捕獲は14年度は80頭を予定し、県の許可を得ている。13年度は88頭を予定していたが、40頭の駆除にとどまったため、これまで除外していた成獣のメスも条件付きで対象にしている。

県自然環境保全課は「13年度の被害額の減少は、山の実りが多く、下りてきた野生動物が少なかったことや、管理捕獲の強化など取り組みの成果が考えられる」と分析している。

ただ、被害調査が農家の自己申告に基づくもので、必ずしも実態を反映したものではないとの指摘は関係者の間で少なくない。

■軽減目標設定 山の実りには周期性がある。厚木市下古沢の生産者は「サルが周囲に出没しているので、7月に予定していた作付け野菜の種類をサルが食べない長ネギに変えた」と話している。

厚木市が3月に策定した鳥獣被害防止計画には、16年度の軽減目標としてニホンザル190万円(約2ヘクタール)、ニホンジカ100万円(約1ヘクタール)などが盛り込まれている。

同市の一柳正一森林鳥獣担当課長は「特にサルの被害は深刻で継続的な対策が必要だ。整備した広域獣害防護柵の開口部を減らすなど、住民との協働で軽減目標を達成していきたい」と話している

【神奈川新聞】

 
 

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