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速度超過で死亡事故、川崎で初公判 危険運転罪には問えず

社会 | 神奈川新聞 | 2014年8月20日(水) 03:00

川崎市宮前区で5月、乗用車とミニバイクの衝突に歩行者が巻き込まれ2人が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた横浜市青葉区鉄町、会社員の男(28)の初公判が19日、横浜地裁川崎支部(西田昌吾裁判官)で開かれ、男は起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、男は制限速度が時速40キロと認識していながら、同約100キロで走行していたと指摘。加速能力の高い改造車を好み、サーキットなどで運転することが趣味だったと明らかにした。

男は被告人質問で「納車直後の車の感覚を確かめたいという気持ちから、身勝手な行動に走ってしまった」と供述。被害者側の弁護士が過去の違反歴に触れ「交通法規を軽視していたのではないか」と指摘すると「そう思われても仕方がない」と述べた。

起訴状によると、男は5月30日、川崎市宮前区の市道交差点を乗用車で走行中、飲食店店員の男性=当時(62)=のミニバイクと衝突。男性と、はね飛ばされたバイクに直撃された歩行者のパート女性=同(55)=を死亡させた。

◇危険運転罪問えず スピード超過適用に壁

生活道路で制限速度を約60キロもオーバーした乗用車によって2人が死亡した事故は、新たにできた自動車運転処罰法の施行直後に起きた。立証のハードルが高いと批判が出ていた危険運転致死傷罪の適用範囲は広がったが、今回適用されたのは過失致死の罪。単純なスピード超過には適用されないという壁も浮き彫りにした。

刑法の規定にあった自動車運転過失致死罪の最高刑は懲役7年。懲役20年の危険運転致死傷罪との間に差がありすぎるとの批判が出たことから、新法ができた経緯がある。自動車運転処罰法には新類型も追加され、酒や薬物の影響で「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態」も危険運転致死傷罪の対象になった。

今回の事故は片側1車線の市道で発生。時速約100キロで走っていた乗用車にぶつかったミニバイクが20メートルはね飛ばされ、歩道にいた女性を直撃した。しかし捜査関係者によると酒や薬物の影響はなく、大幅なスピード超過だけで「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態」を立証するのは難しかったという。

2002年に飲酒運転の乗用車との正面衝突で長男を亡くした祝部滋さん=茅ケ崎市=は「スピード超過のケースは事故の状況を踏まえ、何キロオーバーしたら『危険運転』と要件を決めればいい」と提案する。新法制定にも尽力した立場だが「(要件を明示すれば)ドライバーも気を付けるのではないか」。

この日の初公判で検察側は、被告が過去にもスピード違反を繰り返していたことを明らかにした。ミニバイクに乗っていて死亡した飲食店店員の男性の義姉(67)は「過去に何度も交通違反しながら今回の事故を起こしたなんて信じられない。弟が生きたであろう20年は、被告には刑務所に入って不自由な生活をしてもらいたい」と悔しさをにじませた。

◆自動車運転処罰法

刑法から交通事故関連を分離した特別法。危険運転に飲酒や薬物摂取、特定の病気による影響を加味し、また“逃げ得”を防ぐ狙いで「発覚免脱罪」も新設したが、原則として最高刑(危険運転致死は懲役20年、過失致死は7年)は変わっていない。

【神奈川新聞】

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