横浜市磯子区の雑木林で昨年4月、山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった事件で、暴行と死体遺棄の罪に問われた母親の山口行恵被告(31)=茨城県小美玉市=の論告求刑公判が28日、横浜地裁(鬼沢友直裁判長)で開かれた。検察側は懲役3年を求刑、弁護側は死体遺棄罪についてあらためて無罪を主張し、結審した。判決は9月5日に言い渡される。
検察側は論告で「日常的に暴行を繰り返し、あいりちゃんの肉体的、精神的苦痛の大きさは想像に難くない。いら立ち紛れの犯行で、到底しつけとはいえない」と指摘。「死体遺棄は暴行を隠すための自己保身であり、動機は身勝手で酌量の余地はない」と非難した。
弁護側は最終弁論で「あいりちゃんが死亡したことを受け入れられず、ぼうぜん自失の精神状態で、元交際相手の指示に従ったにすぎない」と、死体遺棄罪について無罪を主張。その上で「行き過ぎたものの、暴行はしつけの一環だった」として情状酌量を求めた。
山口被告は最終意見陳述で「あいりには本当に申し訳ない。私が無責任だったと思う」と、声を震わせながら謝罪した。
起訴状によると、2012年7月、横浜市南区のアパートで、あいりちゃんの顔を殴るなどの暴行を加え、元交際相手(29)=傷害致死と死体遺棄の罪で懲役8年確定=と共謀して遺体を同市磯子区の雑木林に埋めた、とされる。
【神奈川新聞】