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「90年前と同じ」に警鐘 横浜市副読本問題で

社会 | 神奈川新聞 | 2014年7月13日(日) 03:00

歴史修正主義の問題を関東大震災の朝鮮人虐殺と絡めて説明した加藤さん=横浜市神奈川区
歴史修正主義の問題を関東大震災の朝鮮人虐殺と絡めて説明した加藤さん=横浜市神奈川区

関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する記述について、横浜市教育委員会が自民党市議の主張に沿った改訂を行い、「政治介入」との批判を招いた同市の社会科副読本問題。この問題を考える集会が11日夜、同市神奈川区のかながわ県民センターで開かれた。虐殺を取り上げた本をことし出版したフリーライターの加藤直樹さんが講演し、「虐殺の隠蔽がなぜ駄目かと言えば、同じ事を繰り返してしまうからだ」と警鐘を鳴らした。

加藤さんは3月、虐殺に走った社会を資料を基に再現したノンフィクション「九月、東京の路上で」を出版した。ヘイトスピーチ(憎悪表現)や排外主義が社会問題化する現状を受けて、読者からは「これは今の出来事」「90年前と本質的に同じ事が起きている」との声が寄せられたと紹介。「本に最悪の未来を読む人もいた。切迫した思いを感じた」と述べた。

阪神大震災の際に被災地でボランティア活動などを行った加藤さんは外国人に関する流言を耳にした。だが、行政が一貫して冷静で抑制的な対応をしていたと紹介。「神戸市が関東大震災の教訓を記憶していたから、大きいことに発展しなかった」と振り返った。

一方、加藤さんは「日本社会が思い出したくない歴史だから、隠蔽しようとする。後押しするように歴史修正主義が起こっている」と現在の動きを指摘。朝鮮人虐殺に関する横浜市の副読本改訂はその表れとした上で「大虐殺に限らない。従軍慰安婦、南京大虐殺のことや『在日特権を許さない市民の会』のレイシズム(差別主義)は同根。植民地支配に由来する感情が影響を与えてきた」とした。

今後、大規模な天災に見舞われた際、「(関東大震災と)全く同じことが起こるとは思わない。だが、レイシズムや歴史修正主義が国民に蓄積されていけば、誤ることがあるかもしれないとも思う」と加藤さん。見出しで中国、韓国への悪感情をあおる夕刊紙の例を引き合いに「ヘイトスピーチのように見えやすいものではないレイシズムが、社会に浸透していることが恐ろしい」と危機感をあらわにした。

集会は、歴史を学ぶ市民の会・神奈川の主催。会場には約100人の市民が詰め掛け、問題への関心の高さがうかがえた。

◆横浜市の副読本改訂

横浜市教委が市立中学校の生徒に配布する社会科副読本「わかるヨコハマ」の2012年版で、「デマを信じた軍隊や警察、自警団」などが虐殺を行ったとした記述について、自民党の市議が「歴史認識などに影響を及ぼしかねない」などと批判。市教委は市議の主張に沿って「虐殺」を「殺害」と言い換え、軍や警察の関与についての記述を削除した。

【神奈川新聞】

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