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社協が返還請求の助成金 同じ福祉団体が受給か

社会 | 神奈川新聞 | 2014年7月11日(金) 03:00

横浜市港北区社会福祉協議会が障害者団体に助成金の返還を求めている問題で、助成金を事実上受給していたのは同市内のNPO法人だった可能性が高いことが10日、神奈川新聞社の調べで分かった。団体の関係者は「法人の活動だったが、個人名で申し込んだ」「受け取った助成金は法人側に渡した」と証言する。これに対し、法人側は「各団体とNPO法人は別人格」と否定している。

港北区社協は2012年8月、知的障害者の当事者活動を行う水泳クラブに11年度までの4年分80万円、パソコン教室には2年分40万円の「港北みんなの助成金」の返還を求めた。提出された助成金完了報告書の内容と保管義務のある領収書が一致していないことなどから、「団体固有の活動が認められない」と判断した。

2団体の代表は助成金申請当時、いずれも市内で障害者グループホーム(GH)などを運営していたNPO法人「PWL」(横浜市中区、箕輪一美理事長)の職員だった。

関係者の一人は「団体の活動はPWLの事業の一環で、参加者もPWLが運営する事業の利用者」と説明。この助成金は「1団体1事業」と規定されており、結果的にそれに反した申請だったと認める。申請に必要な3カ月の活動実績については「要件を満たす活動はなかった」と話す。

助成金の使途について、ある関係者は「自分名義の口座に振り込まれたものを引き出し、PWLの出納担当に渡した」と証言。助成金完了報告書などで「講師謝金」を受け取ったとされる関係者は「受け取っていない。領収書があるなら偽造だ」と強調した。

また、「助成金をもらえる方法を考えるようにと、法人役員から指示された」「PWLの名前ではもらえないので、個人名で申し込むよう、法人役員に頼まれた」と証言する関係者もいる。

こうした証言は、港北区社協の「団体固有の活動が認められない」との見解とも符合している。

同区社協は助成金の返還請求に合わせ12年8月、同様にPWLの職員が代表者を務めていた新規2団体について、実態が不明として12年度の支給決定を取り消した。新規団体の関係者は「幹部に『名前を借りる』と言われ、法人の利用者名を使い申請した。団体の実体はなかった」と打ち明ける。

PWLは神奈川新聞社の取材に対し、新規も含めた計4団体について「基本的に活動はPWLの事業ではない。会計面でも混同していない」との見解を示す。「役員に頼まれた」との証言があることに対しては、「PWLが助成金を申請することはなく、(証言内容は)あり得ない」と否定している。

PWLは同市内で展開する障害者GHなどの運営で指導を受けたほか、介護保険事業所の指定を取り消されるなど、問題が相次いで発覚。7月までに、GHと日中活動5事業を同市保土ケ谷区内の社会福祉法人に引き継ぎ、公的事業から事実上撤退している。

◇「公金の認識欠如」

「福祉事業の従事者には、一般より高い倫理観が求められている。だからこそ、性善説に基づいて制度がつくられている」。元横浜市中福祉事務所長で、現在はNPO法人「よこはま成年後見つばさ」理事長を務める須田幸隆さん(70)は、そう強調する。

定められたルールを守ることは社会で生活する上での大前提だとする須田さんは、横浜市港北区社会福祉協議会の助成金を事実上受け取っていたのがPWLだったとすれば、「福祉に求められる倫理観以前に、ルールを守るという当然のことが行われていなかった上、助成金は納税者や寄付者から預かった公金だという認識が欠如している」と指摘する。

社協側のチェック機能強化とともに、「公金を扱う以上、甘えは許されない」と受給側にも法令順守の徹底を求めている。

【神奈川新聞】

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