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約2年の勾留を刑期に算入 事実上服役せず釈放「極めて異例」

社会 | 神奈川新聞 | 2014年7月8日(火) 03:00

酒に酔って刃物を振り回したとして、暴力行為処罰法違反罪などに問われた男性(31)の判決公判が7日、横浜地裁川崎支部であり、西田昌吾裁判官は懲役1年6月(求刑懲役2年6月)を言い渡した。その上で2年近い未決勾留日数を全て刑期に充てるとの判断を下し、事実上刑が執行されない「極めて異例の結果」(弁護団)となった。男性は同日、横浜拘置支所から釈放された。

判決などによると、男性は2012年6月、酒に酔った状態で包丁を所持。小田急線百合ケ丘駅付近の路上で初対面の男性らに言いがかりを付け、包丁を示して脅迫した。

弁護団などによると男性は知的障害者で、軽微な犯罪を繰り返してしまう「累犯障害者」。今回の裁判では、逮捕時に警察官が男性にけがを負わせたのは違法で、病的酩酊(めいてい)のため責任能力はなかったと弁護側が主張。これらを争点に初公判から判決まで15回を要し、男性の身柄拘束は1年11カ月の長期に及んでいた。

判決では弁護側の主張はほぼ退けられたものの、裁判官の裁量に委ねられている未決勾留日数のうち1年6カ月分が刑期に充てられ、服役する必要がなくなった。

閉廷後、弁護団は「検察側の主張が全面的に受け入れられた内容にもかかわらず、量刑が一致しない判決」としつつ、未決勾留日数は「半分も算入されれば多い方」と見込んでいただけに、想定外の結果を評価した。

また、同裁判官が「今度はきちんとやってください」と説諭したことに触れ、これまでの公判に大勢の支援者らが傍聴に訪れ、福祉施設も男性を受け入れる意向を示していたことで「独特の配慮があったのではないか」との認識を示した。

【神奈川新聞】

 
 

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