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市制90年 川崎今昔記〈4〉「上に伸ばしていくしかない」 大きく変化した武蔵小杉

社会 | 神奈川新聞 | 2014年7月4日(金) 12:00

地上160メートルから見渡す昨年10月の武蔵小杉の街並み。手前マンションの奥が東急武蔵小杉駅。タワーマンション建設はさらに進む=2013年10月
地上160メートルから見渡す昨年10月の武蔵小杉の街並み。手前マンションの奥が東急武蔵小杉駅。タワーマンション建設はさらに進む=2013年10月

 「本当に便利。ここから離れたくないですね」

 JRと東急線が乗り入れる武蔵小杉駅(川崎市中原区小杉町)から徒歩7分。商業施設やオフィスビルを見下ろす地上49階建てのマンションに住む主婦(37)は、利便性の高さに満足する。

 2010年3月にJR横須賀線の新駅が開業。それまでの渋谷、横浜、川崎に加え、東京、新宿、大宮など主要駅に乗り換えなしでアクセスできる。

 交通の便の良さを最大の「売り」として進む住宅開発は、駅周辺に林立する100メートル級のタワーマンション群が象徴的だ。「上に伸ばしていくしかない」(市小杉駅周辺総合整備推進室)限られた土地で現在、高さ100メートル超のマンションは7棟、総戸数は4千戸に達する。さらに18年度までに5棟3200戸が建設される予定だ。

民間主導で開発


 かつてJR南武線南側には、工場や企業のグラウンドが集積していた。工場の移転に伴い、市は1990年代初頭に再開発構想の策定に着手、2005年には新総合計画「川崎再生フロンティアプラン」で広域拠点と位置付けた。

 道路などのインフラを整備するとともに民間事業者を誘導し、公園や宅地の開発が一体的かつ効率よく進む。呼応するように人口増は加速し、昨年1年間の「自然増」は川崎市が全国最多。武蔵小杉を中心とするエリアがこの数字をけん引しているのは確実だ。

 ファミリー層を中心に人気を集める一方、急激な発展と人口流入に公的サービスの環境整備が追いつかない現状も現れている。

 夫の通勤を考え5年前から駅周辺のマンションに住む主婦(37)は不満を口にする。「幼稚園に通う子どもを遊ばせられる公園が少ない」

 駅周辺の6小学校の児童数はこの10年で約1・4倍に増え、市は新施設整備など対応に追われる。

規制緩和の摩擦




 「風の流れがすごく変わった。身の危険を感じるほどで、風が強い日は外に出られない」。駅近くに住む主婦(74)は、高層マンションから吹き下ろすビル風の影響などで、開発前に比べ住環境が悪化したとの思いが拭えない。

 開発は工場跡地にとどまらず駅北側の既存住宅地エリアに及びつつあり、地元住民からは反発の声が上がる。日本医科大学武蔵小杉病院敷地内の開発計画では、第1種住居地域指定を変更し、180メートルの高層マンション2棟などの建設が予定されている。

 高さ制限と容積率を大幅に緩和し計画を進めようとする市の姿勢に、「小杉・丸子まちづくりの会」の広川宗生代表(73)は「ビル風や日陰になる時間帯が増えるなど、周辺の第1種住居地域に被害が及ぶ」と怒りを隠さない。「市には行政の基本に立ち返り、地域住民の立場で考えてもらいたい」

 効率を重視し、規制緩和によってもたらされた急激な変化は、摩擦も生んでいる。

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