川崎市内の中小企業「ワイ・エス・エム・コーポレーション」(川崎区小田)が、木造住宅の耐震補強用金具やトンネル内の設備固定用の金具などを開発した。いずれの商品も「大がかりな工事をせずに災害に対する補強工事ができる」(須永完社長)のが特徴だ。
木造住宅の耐震補強用に開発したのは、特殊なバネ鋼材を使用したL字形の補強金具と、それを固定するボルト。ボルトは柱に埋め込んだ後、内部から長さ7・5ミリの鋼材のトゲ8本を突き出して外れにくくする。家の土台と本柱の結合部分に取り付け、家屋の倒壊を防ぐ。強度は福山大の研究室で確認し、特許を取得した。
同様のトゲ付きボルトを使い、トンネル内の照明や換気などの設備を固定する金具も考案した。須永社長は「笹子トンネル事故ではボルトが経年劣化で抜けて(天井板が落ち)多くの死傷者が出た。抜けにくくするための工事が比較的簡単にできる」と説明している。問い合わせは同社電話044(344)4709。