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児童養護施設退所者の自立を支援 藤沢に神奈川県の拠点が開設

社会 | 神奈川新聞 | 2014年7月1日(火) 03:00

「あすなろサポートステーション」が開設される建物=藤沢市
「あすなろサポートステーション」が開設される建物=藤沢市

児童養護施設などを退所して就職し、自立を目指す退所者を支える県の支援拠点「あすなろサポートステーション」(藤沢市)が1日に開設される。新しい生活で直面する仕事や人間関係などの相談に乗り、寄り添うことで孤立や離職を防ぐ目的。拠点に足を運んでもらうのを待つのではなく、自宅などの訪問を通じてつながりを失わない工夫も凝らす。

「あすなろ」の代表の前川礼彦さん(41)は「どこに相談していいか分からない退所者は少なくない。10代で自立しなければいけない青年を支えなければ、もっと転落してしまうことになる」と話す。

施設などで育った子どもたちは退所後に家族を頼れず、独り暮らしの生活や金銭管理で壁にぶつかったり、人間関係でつまずいたりして、生活が一転するケースもある。

県児童福祉施設職員研究会調査研究委員会は児童養護施設などの退所者について2012年に調査を実施。それによると、06年度から10年度までに、県内で施設などを退所した人は369人いた。

退所直後は、住み込みや勤務先の寮で暮らす人が141人いたが、調査時点では87人に減少。また、飲食業に就いた人が当初は50人いたが、調査時には26人になり、「職業不明」は12人から45人に増えていた。何らかの理由で仕事を辞め、同時に住まいも失ってしまったことが推察される。

「あすなろ」の対象者は原則、横浜、川崎、相模原の3政令市と横須賀市を除いた地域の退所者。支援期間は18歳から23歳までの5年間で、社会福祉法人白十字会林間学校(茅ケ崎市)が運営し、専属のスタッフが配置される。

特徴は退所者の訪問支援に重点を置くことだ。

既存の支援事業は退所者が集う「居場所」の性格を持つものが多いが、新しい場所に足を運びにくい人もいる。相談業務を主にする「あすなろ」は「訪問相談で関係をつくるだけでなく、『あなたのことを忘れていないよ』というメッセージを送れれば」と前川さんは話す。

さらに、県域18カ所の児童養護施設などの職員を「あすなろサポーター」に指名。担当の県子ども家庭課は「退所した施設には顔を出せるが、『あすなろ』には相談に行きにくいという人をつないでもらう」ことが目的で、施設にいるときから切れ目のない支援を目指す。サポーターには県の負担で研修なども受講してもらう。各施設の職員が善意で対応してきたアフターケアを制度化するのも狙いの一つだ。

「あすなろ」は当面の間、毎週火、木、土曜日に開所。前川さんは「退所者にとって、退所後の自立生活は生まれて初めての体験なのに、失敗が許されないという過酷な状況。その心細さを受け止め、相談に乗ることで、問題が重くなる前に解決できる」と期待を込める。

問い合わせは、前川さん電話0467(58)6260=自立援助ホーム「湘南つばさの家」内。

【神奈川新聞】

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