横須賀市のホテルで飲食店従業員の女性(22)=同市公郷町5丁目=が刺殺された事件で今年3月、女性の自宅の鍵穴がいたずらをされていたことが29日、横須賀署への取材で分かった。女性は同署に被害届を出す際、元交際相手の塗装工の男(43)=殺人未遂容疑で逮捕=の名前を伝え、同署はその後、自宅の見回りをするなどしていた。
同署によると、自宅マンションの鍵穴に接着剤が塗られていた。被害届の際、女性は「(元交際相手の男が)やったのかもしれない」と説明したという。同署は今回の事件との関連性も含め、経緯などを調べる。
同容疑者は昨年6月、女性の首を絞めたとして傷害容疑で同署に逮捕され、同8月に執行猶予付きの有罪判決を受け、釈放されていた。
被害届を受け、同署は女性宅の見回りをするようになった。その後、同署員が女性に複数回面会したが、「おびえている様子は見られなかった」としている。
また、女性は昨年11月、同容疑者に自宅が特定されないよう、住民票の閲覧制限を横須賀市に申請し、受理されていた。市は女性をDV・ストーカー等支援対象者としていた。
同容疑者は6月28日、女性の自宅に押し掛けて口論となり、ホテルに逃げ込んだ女性を刺したとして逮捕された。同署は自宅をどのように特定したのかについても調べている。
同署は29日、容疑を殺人に切り替え、同容疑者を送検。女性の死因は首を刺されたことによる失血死だったと発表した。
【神奈川新聞】