逗子海水浴場は27日、関東で最も早く海開きし、音楽、砂浜での飲酒、入れ墨・タトゥーの露出などを禁止した「日本一厳しい」(平井竜一逗子市長)という条例・規則の夏がスタートした。初日は大きなトラブルはなく、関係者は夏が終わる計66日間の無事を祈っていた。
午前10時に始まった海開き式が終わると、ビーチは打って変わって静かになった。利用客もほとんど見当たらない。「初日はいつも、こんな感じですよ」と市の担当者は話す。
複数のライブハウスが営業した昨夏と大きく違うのは、FMラジオなども含め音響機器を使った音声を一切流していないことだ。
規制内容に反発していた海の家でつくる逗子海岸営業協同組合は当初、条例に従わない方針を示していたが一転、規制内容に準拠した自主ルールを策定した。
午後6時半を回ると、各海の家は自主ルール通り店じまいを始めた。海の家を50年以上営業しているという男性(83)は「まだこんなに明るいのに。午後8時ぐらいまでは営業させてほしい」と不満を漏らす。別の海の家の男性は「連休やお盆に客が減らないことを願っている」と希望を託した。
戸惑いを見せる海水浴客も。横須賀市から来たアルバイト女性(25)は「午後6時半の閉店だなんて知らなかった。音楽もなくなって寂しい感じ」としょんぼりした表情だった。
市幹部によると、この日は目立ったトラブルはなかった。平井市長らは毎週末、パトロールを実施する予定で、「市内外の来場客の声を踏まえ、今後のあり方を議論していきたい」としている。
【神奈川新聞】