2012年9月に横須賀市追浜町の京急線追浜-京急田浦区間の線路脇斜面の土砂崩れによる脱線で、乗員・乗客56人が重軽傷を負った事故で、田浦署は25日、容疑者を特定しないまま業務上過失傷害の疑いで横浜地検横須賀支部に書類送検した。
同署によると、電車は雨の影響で崩れたとみられる土砂に乗り上げて脱線。「運転士らの安全対策上の問題はなく、予見できない事故で、過失が認められなかった」としている。
京急は事故前から、防護対策の一環として、現場にモルタルの吹きつけや高さ約4メートルの柵の設置を行っていた。また事故当時、男性運転士は時速約85キロ制限の区間を約75キロで走行しており、土砂を見つけ急ブレーキをかけていた。
事故は12年9月25日午前0時ごろ発生。斜面が高さ約30メートル、幅約10メートルの範囲で崩落し、線路に流れ込んだ土砂に京成高砂発三浦海岸行き特急列車(8両編成)が乗り上げ、先頭3両が脱線した。直前に1時間で約100ミリの「猛烈な雨」が降ったとして横浜地方気象台が「記録的短時間大雨情報」を発表していた。
【神奈川新聞】