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オンラインゲームで「チート」悪用 少年3人を全国初摘発

社会 | 神奈川新聞 | 2014年6月26日(木) 03:00

不正な特殊能力(チートツール)を開発・使用してオンラインゲームを荒らしたとして、県警サイバー犯罪対策課と中原署は25日、電子計算機損壊等業務妨害の疑いで、福島県会津若松市の大学1年生(18)と奈良県五條市の私立高校3年生(17)、徳島市の専門学校生(17)の3少年を書類送検した。チートツールを悪用したプレーヤーの摘発は全国で初めて。

県警によると、ゲームはオンラインゲーム会社「ネクソン」(東京都中央区)が運営する対戦型シューティング「サドンアタック」。同社によると、2007年に韓国メーカーが開発し、国内で1日平均1万人が利用している。

書類送検容疑は、3人は共謀して13年5~8月、計27回にわたってチートツールを使い、同社のゲーム運営を妨害した、としている。

県警によると、福島と奈良の少年は11年8月~13年9月、空中からや壁越しに狙撃できたり、敵の頭部が巨大化して狙いやすくなったりする、本来は存在しない計37種類のチートツールを独自に開発して販売。延べ約4千人からウェブ通貨で約810万円を売り上げていた。

また2人は「RuoRuo(ルオルオ)」のアカウント名で既に有名だった徳島の少年に無償でチートツールを提供。徳島の少年は規格外の戦闘力からゲーム内で神格化され、動画配信サイトに自身のプレー動画を投稿し、アフィリエイト(成功報酬型広告)で約50万円の広告収入を稼いでいたという。3人はインターネットを通じて11年夏に知り合ったという。

県警の調べに対し、福島と奈良の少年は「ルオルオは(広告塔として)無償で働く使い勝手のいい駒だった」などと供述。徳島の少年も「ゲームで暴れて有名になりたかった」と容疑を認めている。

ネクソンが13年4月、県警に被害を相談し、県警はIPアドレスや通信履歴(ログ)から3人を特定。今年2~3月にそれぞれの自宅を家宅捜索し、パソコンやハードディスクを押収していた。

◆不正横行、抑制に期待も

「チート」は「ずる」や「いかさま」を意味し、運営側が排除しきれない「やりたい放題の無法状態」(ゲーム業界関係者)が業界にまん延しているのが実態だ。過去には、開発元がチートプログラムの販売会社に対し、ゲームの価値を侵害したとして訴訟を起こした例もある。

その一方で、チートは「面白半分のいたずら」(捜査関係者)とみられる傾向にあり、これまで刑事事件に発展するケースはなかった。捜査幹部によると、直接的に取り締まれる法令がないことも、摘発がなかった要因という。

ネクソンはほかの運営会社と同様にチートが発覚した場合、規約に基づいてアカウントを停止するなどして妨害行為を防いでいた。ただ、摘発された徳島の少年は強制的に退去させられるたび、アカウントを変えてゲーム内にとどまり、不正を繰り返していたという。

ネクソンによると、妨害に対応するシステムの改修や監視の強化を余儀なくされた上、一般のプレーヤーからの苦情が業務に影響するほど寄せられていた。同社の担当者は「自助努力では手に負えない損害が生じ、警察の力に頼らざるを得なくなった」と明かす。

ネット犯罪に詳しい落合洋司弁護士は「売り上げが多額で悪質性が高く、警察はただのいたずらではないと判断したのだろう。摘発の前例ができたことで、(野放しだった)オンラインゲームの不正行為は抑制されるはずだ」と指摘した。

【神奈川新聞】

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