司法書士や行政書士などが関与して住民票の写しや戸籍謄本などを不正に取得する事件が全国的に多発しているのを受け、小田原市は7月1日から、第三者に不正取得された場合に本人に伝える「本人通知制度」を導入する。
法的な規定はないが、個人情報保護や犯罪抑止の対策として全国の自治体で制度の導入が進んでいる。市戸籍住民課によると、県内ではこれまでに、藤沢、相模原、鎌倉市などが同様の制度を導入している。
小田原市が対象とする証明書は、住民票の写しや戸籍謄抄本、戸籍の付票の写しなど。通知されるケースは(1)証明書を取得した者が住民基本台帳法または戸籍法に違反する不正取得者であることが明らかになった場合(2)国、県、その他関係機関からの通知などで弁護士や司法書士、行政書士などの特定事務受任者が職務上請求書を使って不正取得した事実が明らかになった場合-としている。
本人には、請求対象者の氏名や、請求された証明書の種類・通数、交付年月日などが書面で通知される。請求者の氏名などは通知されないが、本人が情報開示の手続きをし、市個人情報保護運営審議会の判断によっては請求者の情報も開示されるという。
市では2009年6月から11年9月にかけて、住民票の写し8件、戸籍謄抄本5件、戸籍の付票の写し2件の計15件が行政書士や司法書士に不正取得されていた。
【神奈川新聞】