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【社説】経団連と政治献金 関与復活は時代に逆行

社会 | 神奈川新聞 | 2014年6月15日(日) 12:24

今月就任した経団連の榊原定征会長が、会員企業の政治献金への関与を復活させる意向を示した。昨今の政治への発信力低下は否めず、存在感の回復を目指すものだが、時代に逆行しているという指摘は避けられそうにない。

経団連と政治献金といえば、1950年代から長く続いた「あっせん方式」がその象徴だ。献金の総額を決め、資本金や売上高に応じて企業に割り振ることで、自民党との密接な関係を築いた。

93年の非自民連立政権の誕生で、あっせん方式を中止。2004年、政策評価に基づく献金を再開したが10年にやめた。民主党政権とは疎遠だった上、第2次安倍政権の発足直前に、大胆な金融緩和を「無鉄砲だ」と前会長が批判したことで、政権との距離が決定的になった。

代わって緊密ぶりが目立つのが、経団連とともに経済3団体と称される経済同友会と日本商工会議所だ。双方のトップが政府の産業競争力会議で農業改革を訴えて生産調整(減反)廃止の実現に結びつけ、経済財政諮問会議で人口減少や地域再生といった問題で提言している。

経団連は昨年、「国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて」との提言を示し、10月に政策評価を復活させた。しかし、与党のみが対象で、政策分野ごとに採点するランク付けを見送った。政治との距離感に迷いがうかがえるとともに、「高く評価できる」とした総評は政権への秋波のようでもある。

東証1部上場の大企業を中心に約1300社が名を連ねる経団連は、経済成長に資する政策提言をする重要な役割を担う。それが献金を通じた利益誘導を図るなら政財界の癒着につながりかねず、自らうたう「国民本位」とかけ離れてしまう。

環太平洋連携協定(TPP)、復興特別法人税の前倒し廃止など、安倍政権はもともと大企業寄りの姿勢が鮮明だ。経団連の後押しの有無にかかわらず、法人税減税にも前を向く。そうした政権が力を強める中での政治献金への関与復活は、単なるすり寄りのように映る。

日本企業の多くが成長の基盤と考える中国・韓国との関係改善に、経済界が果たす期待は大きい。震災復興、地域振興、社会保障、研究開発といった分野でも同様だ。政権と一定の距離を置き、かつ尊重される存在への道を探るべきではないか。

【神奈川新聞】

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