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ニホンウナギ 絶滅危惧種に 消費見直し資源回復を 専門家「踏み込んだ判断」

社会 | 神奈川新聞 | 2014年6月13日(金) 03:00

ニホンウナギ(マリンワールド海の中道提供)
ニホンウナギ(マリンワールド海の中道提供)

日本の伝統的な「夏のスタミナ食」として愛されるニホンウナギが、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種と分類された。専門店や産地からは価格高騰などへの懸念が広がる。一方で、資源の枯渇に警鐘を鳴らしてきた専門家は「踏み込んだ判断」と評価。これからもうなぎを食べ続けるためには、何が必要なのか。日本人の食文化を、世界が注視している。

「ニホンウナギだけではなく世界のさまざまなウナギに関し、IUCNは資源保護の観点から踏み込んだ判断をしてくれた」。北里大海洋生命科学部(相模原市南区)でウナギの研究を行う吉永龍起講師(42)は、今回のレッドリストへの分類をそう評価し、「消費の見直しだけでなく、資源回復へ積極的な取り組みを」と訴える。

絶滅の危険性が最も高い「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」に先んじて分類されているヨーロッパウナギは、中国が大量に稚魚を輸入して養殖し、それを格安で輸入した日本が大半を消費。資源の95%以上を枯渇させた苦い過去がある。

吉永講師らは毎年、牛丼チェーンやスーパーなどのうなぎをDNA鑑定し、種の特定の調査を進めているが、「ヨーロッパウナギは今も普通に売られている」。ニホンウナギの代替種として需要が高まっているインドネシアなどに生息するバイカラも今回、レッドリストの分類が格上げされており、「『第二のヨーロッパウナギになる』との懸念の表れ」と指摘。乱獲で枯渇すれば別の種に飛び付く-という悪循環が断ち切られることに期待する。

ウナギ資源の保護の必要性を提言し続ける東アジア鰻資源協議会も、今回のIUCNの分類を支持した。ただ、「レッドリストも、国際取引を規制するワシントン条約も、実効性はない」と吉永講師。「これからもウナギを食べ続けるには、もはや消費のあり方を見直すより、資源回復のために何ができるかを考えるべき」と訴え、こう強調した。「今のままでは、本当にニホンウナギは絶滅する」。

◆ニホンウナギ 日本をはじめとする東アジア地域に分布するウナギで古くから食材として利用されてきた。グアム島周辺の太平洋でふ化した稚魚が海流に乗って日本沿岸に回遊し、河川や湖沼で成長。5~10年たつと、再び、河川を下って海に出てグアム島近海まで到達し、産卵する。河川環境の悪化や乱獲によって各国で個体数が減少。養殖用の稚魚(シラスウナギ)や加工品のウナギが毎年、大量に中国や香港、韓国などから日本向けに輸出されている。

【神奈川新聞】

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