厚木市下荻野のアパートの一室で、男児=当時(5)=の遺体が見つかった事件で、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された父親でトラック運転手の男(36)=厚木市愛甲3丁目=が、部屋の窓などに粘着テープで目張りしていたことについて「仕事から帰った時に(男児が)外で遊んでいたことがあり、勝手に外に出られないようにしていた」と供述していることが6日、県警への取材で分かった。
県警捜査1課への同容疑者の供述によると、妻がアパートを出た後、同容疑者は男児と2人暮らしになった。当時、同容疑者は夜に出勤して朝方帰宅する夜勤を担当しており、最初の約3カ月間は週5日ほどアパートに戻っていた。
同容疑者は「出勤時に息子が『パパ、パパ』と服を引っ張っていたが、心を鬼にして出掛けた。2日くらい帰れなかった時はおにぎりやパンをむさぼるように食べていた」と説明。普段は紙おむつをはかせ、帰宅時に下着とともに替えていた。休日には公園に遊びに連れて行ったという。
同課によると、当時3歳だった男児が迷子で県厚木児童相談所に一時保護された時期と同じ2004年10月、料金滞納で電気が止められ、同容疑者と男児は真っ暗な部屋で生活していた。県警は同容疑者が育児放棄した動機や男児の死亡した経緯を詳しく調べる。
司法解剖の結果などから、男児は06年10月ごろから翌07年1月ごろの間に衰弱死したとみられる。遺体は6畳和室に敷かれた布団の上で白骨化した状態で見つかり、大量の家庭ごみが散乱していた。
【神奈川新聞】