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【照明灯】栗花落

社会 | 神奈川新聞 | 2014年6月6日(金) 09:42

三浦市の城ケ島に、北原白秋の詩碑が立つ。〈雨はふるふる城ケ島の磯に/利休鼠(りきゅうねずみ)の雨がふる〉。恋愛問題や経済的困窮を抱えた白秋は1913(大正2)年、同地に住んだ。三崎の海と光に傷心を癒やされ、詩が生まれた▼降る雨の感じを「利休鼠」と表現したのは、「色彩の詩人」と呼ばれた白秋ならではと言えよう。緑色を帯びた灰色を指し、茶人千利休と直接の関係はないが、抹茶の色感をイメージして名が付いたという説がある▼「雨のことば辞典」(倉嶋厚監修、講談社)をひもとけば、青葉からしたたり落ちる水滴を指す「青時雨」、光線を浴びて輝きながら降る雨を示す「銀竹(ぎんちく)」など、色を含んだ言葉を拾うことができる。日本人の暮らしが四季の雨と深い関係を取り結び、鋭い色彩感覚が培われてきた証しだろう▼関東地方が梅雨入りした。「栗花落(ついり)」は、梅雨の始まりとクリの花の落ちる時季が重なるところから当て字されたとある。「梅雨籠(ごもり)」「長梅雨」などには、降り続く雨に外出を妨げられ、うんざりする気持ちがにじむ▼同辞典の最初の言葉は「愛雨(あいう)」。動植物の命を支え、人の心にうるおいを与える雨を愛すべし。だが恵みだけでなく災害をもたらす危険性が隣り合わせだ。「梅雨出水(でみず)」にご注意を。

【神奈川新聞】

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