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カンボジアで孤児院支援のNPO、村へ農業技術伝承も

社会 | 神奈川新聞 | 2014年5月22日(木) 17:00

支援を続けるカンボジアの孤児院の子どもらと写真に収まる今井さん(前列中央、今井さん提供)
支援を続けるカンボジアの孤児院の子どもらと写真に収まる今井さん(前列中央、今井さん提供)

カンボジアの孤児院支援に取り組む相模原市のNPO法人「風のクリキンディ」が同国の貧しい農村にも支援を広げようとしている。収入増につながる農業技術の伝承や井戸などの整備をサポートする考えだ。「子どもの貧困を絶つには親の自立への後押しが必要だ」と考えている。

同法人は2010年から同国シェムリアップ州の孤児院の子どもがつくった手芸品を日本国内で販売し、売り上げや寄付金を現地に送金し続けている。

戦中生まれの今井弘理事長(70)=同市緑区橋本=には活動の源となる少年時代の忘れ得ぬ記憶がある。

戦中、上野動物園ではゾウが殺処分され、戦後にそれを知ったインドの首相が「子どもたちに見せて上げたい」とゾウを贈った。そのおかげで12歳の時、同動物園でゾウを生まれて初めて見ることができた-。

幼心に湧き起こった他国への感謝。「国境の外にも自分を大切に思ってくれる大人がいることが、子どもたちをどんなに励まし、温かい気持ちにさせるか」と振り返る。

働きづめの人生に区切りがついた2009年から海外支援に関する情報を集め始めた。相談した団体に紹介されたのが、カンボジアだった。

現地に足を運んだところ、内戦の地雷で親を亡くしたり、貧困で家庭に居場所を失ったりした孤児院の子どもらの存在を知った。「自分の目の前の現実から変えていきたい」と思い定めた瞬間だった。

国際送金を始め、現地の農村にも度々訪れるうち、さらなる現実を目にした。

児童が両手にタンクを提げ遠く水くみに行く。炊事に必要な薪を地雷が埋まる林で拾う。家業を手伝うため学校に行けないばかりか、人身売買の被害に遭う少女の存在も知った。

近くに井戸ができれば水くみの負担が減る。効率的な農業技術が浸透すれば子どもが学校に行ける機会が増え、家計も楽になる…。「親が自立できる環境が整えば子どもたちの現状も変えられるのではないか」との新たな視点を得た。

活動地域を既に支援を続けている孤児院のあるシェムリアップ州に決め、現在は農村の選定を急ぐ。活動を知った企業が井戸水の殺菌といった技術的な支援に興味を示すなど賛意の輪も広がる。

NPOのホームページには今井さんがこんな決意を記している。

〈子供達の未来を大人たちが、貧しさや戦乱や不自由な体制の中で失わせてはいけない〉

国境を超え、自分なりの「大人」の責任を果たそうとしている。

【神奈川新聞】

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