1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 【社説】PC遠隔操作事件 手口を検証し再発防げ

【社説】PC遠隔操作事件 手口を検証し再発防げ

社会 | 神奈川新聞 | 2014年5月21日(水) 08:47

少年を含む4人が誤認逮捕されたパソコン(PC)遠隔操作事件で逮捕・起訴され、容疑を否認し続けていた片山祐輔被告が一転、自分が真犯人であると認めた。2012年10月に「真犯人」を名乗る人物から犯行声明があって以来、捜査の在り方に疑問が投げ掛けられるなど、社会問題へ発展した事件だ。

13年2月の逮捕以来、1年3カ月におよぶ否認を崩したのは、ハイテクとは無縁の地道な捜査だ。公判中に報道機関などへ送信されたメールが、片山被告の手による疑いが強いことを明らかにした。現場の確認や物証こそが事件の真実に迫れることを示したといえよう。

一連の誤認逮捕の背景には証拠の収集や分析の際の未熟さ、捜査当局の思い込みに基づき自白を誘導するような取り調べがあった。捜査や取り調べ手法の検証や改善をさらに進めていくべきだ。

片山被告には犯行の手口を包み隠さず明かしてほしい。ウイルスを作った際、どのような技術やデータを使ったか、それらをどこから入手したのかなどを詳細に説明する義務を負う。真犯人であるなら、誤認逮捕された人たちへの償いを生涯続けていくことは言うまでもなかろう。

類似事件を繰り返さないため、あらゆる原因をあぶり出し、犯罪の根となる不正な技術やデータを根絶しなければならない。ウイルス作成の手引きをした人物なり組織が浮上するのであれば徹底的に追い詰め、必要に応じて厳しく罰してほしい。

サイバー捜査能力の向上も急がれる。必要な人員やシステムを警視庁や道府県警に確保したい。民間のセキュリティー会社や情報機器産業などとの連携も必要だ。

一連の捜査で得られた情報は積極的に還元し、ウイルスの拡大を防ぎたい。セキュリティーの構築に生かせれば、日本の情報システムや機器への信頼も高めていけるはずだ。

PCをはじめとした各種端末は、今や仕事面でも生活面でも必需品である。その利用者であるというだけで犯罪者とされかねない危険の存在を示した今回の事件は、多くの人たちを不安に陥れた。

機器の普及や高度化がさらに進む中で、犯罪が模倣され被害が拡大する危険性もはらむ。成り済ましは悪ふざけでは済まない。許し難い重大な犯罪であることを確認し、若い世代への教育も徹底したい。

【神奈川新聞】

PC遠隔操作事件に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング