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【社説】緊急地震速報 信頼確保へ改善重ねよ

社会 | 神奈川新聞 | 2014年5月14日(水) 11:59

緊急地震速報(警報)が発表されていたら、人的被害を減らせただろうか。大型連休終盤の5日未明に伊豆大島近海で起きた地震では、東京都心で震度5弱、横浜や川崎では4を観測。驚いて転倒したり、上から落ちてきた物に当たったりして負傷した人が少なくなかった。

速報が発表されなかったのは、地震波を検知した直後の予想震度が4で発表基準(5弱以上)に満たなかった上、正確な予測が困難な地下深くの地震だったためだ。

こうした技術的な限界は、ICT(情報通信技術)の飛躍的な進歩で災害の直前や発生時に自動的に発せられるようになった注意喚起の情報に常につきまとう。気象庁は改善を講じてきたが、まだ道半ばである。速報の信頼性を高めるためにも、一層の努力を重ねるべきだ。

それでもなお、人々の足元で起きる直下地震では、強い揺れとなる震源地周辺には速報が間に合わないという根本的な課題は解決しないだろう。この点についても、さらに共通認識を得ておく必要がある。

なぜなら、緊急地震速報は東日本大震災を経て接する機会が増え、発表時に備えた訓練や教育の場が広がっているからだ。

さらに気象庁は速報の活用を念頭に、超高層マンションや石油タンクなどを揺らす長周期地震動の予報という新たな試みも検討している。家具の転倒やエレベーターの停止、石油タンクのスロッシング(液面揺動)による火災を招く長周期地震動の予報は被害防止に有効だ。半面で地震の前後に出される情報が多くなり過ぎ、分かりにくくなるとの指摘もある。発表時に取るべき行動をどう例示するかも含め、課題は多い。

各種の警報や情報について気象庁は、発表していない状況で災害が発生するという「見逃し」がないよう努めている。一方で、発表したのに災害が起きない「空振り」は許容するスタンスだ。理解はできるが、空振りが繰り返されれば受けた側の心理的な負担は大きく、信頼も失う。

昨年8月、和歌山県で起きたマグニチュード(M)2・3の地震では最大震度7と誤報。鉄道の運行停止の影響は40万人以上に上り、気象庁は会見で謝罪した。

命を守れるかどうかの瀬戸際に出される情報の効果を高めるには、受け手の視点に立った取り組みがこれまで以上に不可欠と言えよう。

【神奈川新聞】

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