管内で自転車による交通事故が多発していることを受け、平塚署は署員自らが自転車にまたがり「利用者目線」で事故防止を呼び掛ける取り組みを始めた。平塚市の中心部が平地のため、利用者が多い地域特性を踏まえた「平塚ならでは」(鳥海保弘署長)の試みだ。
名付けて「湘南平塚サイクルポリス」。20、30歳代の若手署員10人がマウンテンバイクで街に繰り出し、パトロールしながら市民へ交通安全を指導する。
出動は、子どもたちの下校時間や買い物客らで人通りが増える時間帯だ。小学校の近くをパトロールした男性署員(38)は「自転車に乗っている人と同じ目線で、スピードを出しすぎている人などを指導していきたい。斜め横断をしているような歩行者も注意できれば」と話し、「これならオートバイでは入れない細い路地にも行けます」と力を込める。
2013年、同署管内で発生した自転車事故は408件で県内54署中ワースト。死者は出ていないものの、けが人も最多の403人を数えた。今年に入っても事故は続き、1~4月は125件でやはり県内で最も多いという。
鳥海署長は「平塚駅周辺は一方通行が多く、道も細いし、人通りも多い。自転車の機動力を生かしたい」と、県内初の試みとなるサイクルポリスの狙いを話す。自転車事故の防止だけでなく、ひったくりなど街頭犯罪にも目を光らせていきたいという。
【神奈川新聞】