娘2人にわいせつな行為を行ったとして、県内の会社員の男性被告(41)が強制わいせつ罪などに問われた事件があり、捜査を担当した鶴見署の男性巡査部長が捜査報告書の作成日を実際の半年前と偽っていたことが24日、分かった。この報告書を基に逮捕状が請求されており、被告の弁護人は「事実であれば有印虚偽公文書作成、同行使の罪に当たる行為」と批判している。
起訴状によると、被告は2011年11月下旬から12年5月までの間、自宅で寝ていた長女と次女の胸を触るなどのわいせつな行為をした、とされる。
巡査部長は24日、横浜地裁で開かれた被告の公判に証人として出廷し、虚偽記載を認めた。
証言などによると、作成日を偽ったのは、2人の被害状況について被告の妻から聞き取った捜査報告書。妻は12年7月9日、鶴見署に被害を相談しており、同10日に作成されたとして公判に証拠提出されていた。
だが、被害児の1人が公判で、被害を申告したのは「7月11日以降だった」と報告書と矛盾する内容を証言。昨年12月の結審後、巡査部長が虚偽記載を認めたため、検察側が今年1月に公判の再開を請求していた。
巡査部長は証人尋問で、実際には「昨年1月の上旬から下旬」に作成したと証言。虚偽記載の理由について、捜査の開始時期を明確にする必要があったと説明し、「当時は事件のことでいっぱいで、問題だと思わなかった」と述べた。虚偽記載について捜査はされておらず、懲戒処分の調査も行われていないという。
被告は無罪を主張している。弁護人は「捜査報告書の内容は犯人の『秘密の暴露』に関わる。作成日の虚偽記載は、被告の防御を妨げ問題」と指摘した。
県警刑事総務課は「不正確な記載があったことは承知している。事実関係を明らかにした上で、捜査するか判断する」としている。
【神奈川新聞】