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【照明灯】家計簿の今昔

社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月20日(日) 10:10

スマートフォンの家計簿アプリが楽しい。レシートを読み取り、自動的に記録。収入、支出を分かりやすく円グラフで見せ、節約のアドバイスをする。レシートの品目に合わせたレシピを提案するものもある▼家計にマイナスの影響があるときに家計簿の売れ行きが伸びる傾向があるらしい。消費税率が引き上げられた今月は、まさにその時。手書きの家計簿商戦は年末に山を越すのが通例だが、今年はまだ売れ続けている▼なぜ家計簿をつけるのか。ある女性誌が実施したアンケートでは、つける人とつけない人で200万円もの貯蓄額の差が出た。節約に役立つことは確かだが、身の程、身の丈を知るのに、これほど適切なものもあるまい▼ある主婦が戦前から長く残した家計簿が公開されている。結婚は日米開戦のころ。慰問袋41銭、電報料30銭、シンガポール陥落献金50銭…と時代を映す項目が並ぶ。やりくりをつけながら、家族の祝いごとや近所付き合いも絶やしていない▼並行してつけていた日記には、「時局柄材料入手困難の為(ため)、予定の献立が作成できないので困ります」(42年1月12日)、「今日より物品税増税にて店は大方休業」(43年3月1日)とある。家計簿は庶民の歴史、国の歴史そのものといっていい。

【神奈川新聞】

 
 

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