【照明灯】カモへの落とし穴
社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月19日(土) 11:00
「カモがネギを背負(しょ)って来る」とは、利用する側にとって好都合な状況を表す。カモと相性のよいネギがそろっているので、捕まえれば鍋料理がすぐ作れる
▼略して「カモネギ」である。賭け事やスポーツなどで負け続けることを「カモられる」と形容する。横浜DeNAベイスターズは「カモる」側に回らなくては…
▼川崎市の公式サイトに「カモ診断テスト」が公開されている。自分のだまされやすさの程度を知ってもらうことで、インターネットやスマートフォンなどでの詐欺や悪質商法の被害を未然に防ぐ狙いである。言葉巧みに信用させる「猫かぶり」、甘い誘いに弱い「いいカモ」などのマスコットキャラクターが登場する
▼テストは若者向けにチャート式の構成になっている。「誰にも相談せずに物事を決めることが多い」「セールスらしい人に声をかけられると無視できない」などの設問にイエス・ノーで答えると、弱点別にタイプが分かる
▼筆者も試みた。結果は「今は大丈夫かもよ」だった。安心と思いきや、監修した西田公昭・立正大教授の「あなたも私も、だまされないなんてことはありません」というアドバイスに考え方を改めた。「自分だけは詐欺被害と無縁」の過信こそがカモへの落とし穴である。
【神奈川新聞】