子どもの安心・安全を守る新たな取り組みが、川崎市宮前区で始まった。市立鷺沼小学校(宮前区鷺沼)の通学路に児童の登下校を見守る防犯カメラを設置したのは、飲料メーカーのダイドードリンコ。近くに新設する自動販売機の売り上げでカメラを整備する仕組み。地元住民と企業が協力してスタートした珍しい試みで、関係者は「県内で初めて。全国でも聞いたことがない」と、今後の広がりに期待を寄せている。
カメラは3月中旬以降、通学路にある商店街の店舗やゴルフ練習場の敷地内に3台設置され、さらに5月中に5台が新設される予定。鷺沼小や県警、鷺沼町会などが不審者情報や事故が多い場所を確認して設置地点を決めた。設置費用と電気代はダイドーがカメラ近くに設置を進める自動販売機8台の売り上げで賄う。
以前から企業などの敷地に防犯カメラを設置する社会貢献事業を展開していたダイドーだが、今回のように広い範囲を対象とした治安向上策を進めるのは初めてという。
カメラの管理は町会が担う。持田和夫会長は「万が一事件や事故が起きた場合は、警察からの正式な要請がない限り映像を提供することはない」と個人情報にも配慮した。
9日には記念式典が開かれ、鷺沼小の三ツ木純子校長は「何かあったらカメラと地域の人が見ていてくれると、子どもたちの心にゆとりが生まれる」と感謝。持田会長は「町の宝である子どもを守り、安全な町をつくっていきたい」とあいさつした。
【神奈川新聞】