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息子巻き添えで重い後遺症、宮前の交通事故訴訟が10日に判決

社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月10日(木) 03:00

家族3人が交通事故の巻き添えとなって負傷した三差路=川崎市宮前区菅生
家族3人が交通事故の巻き添えとなって負傷した三差路=川崎市宮前区菅生

川崎市宮前区で2012年1月、車2台の衝突事故に巻き込まれ、脳挫傷で意識不明の重体となった長男=当時(11)=の父親(44)が神奈川新聞の取材に苦悩の日々を語った。長男には今も遷延性意識障害と四肢まひの後遺症が。「日本の法律は加害者に甘いのか」-。横浜地裁川崎支部の公判で、自動車運転過失傷害罪に問われた会社員の男(22)に対する検察側の求刑は禁錮3年。一家は怒りの矛先を定められないまま、10日の判決に向き合う。

「笑ったり泣いたり、怒ったりするのが人間のあるべき姿。息子が今、何を思っているのかを理解してあげられないのが、親としては一番つらい」。事故から2年3カ月。自力で歩くことも、感情を表に出すこともできない長男を思い、父親は涙をこらえる。

3人が事故に遭ったのは元日の昼、近所の神社へ初詣に向かう途中だった。激しいブレーキ音を聞いた直後、衝突の影響で制御不能となったワゴン車に背後から襲われた。

最後尾を歩いていた長男は、3メートルほどはじき飛ばされた。一命を取り留めたものの、元気だったサッカー少年の変わり果てた姿に、「守りきれなかった。こんな思いをさせてごめん」と謝罪の言葉が口を突く。

「怒りよりもまず、なんでわが家が、という思いだった」と父親は言う。制限速度を大幅に上回ったとされる直進車と、前方の注意義務があった右折車。両者の過失で第三者を巻き込んだ事故に、怒りの矛先は定まらない。禁錮3年の求刑についても、「日本の法律は加害者に甘いのかなという考えはあるが、頭のどこかで早く加害者のことは忘れたいという思いもあった」と胸の内を明かす。

兄弟は地元の少年サッカーチームに通っていたが、事故後に次男もチームをやめた。「兄と一緒じゃなきゃ嫌だと言うんです。3人でまた、家の前でサッカーがしたい」。ささやかだが、その願いは切実だ。

事故当時を振り返り、「現場で救助活動をしてくれた方にお礼が言いたかった」。右脚骨折で動けなかった自分に代わり、長男を毛布で包んで抱き上げてくれた男性の姿が、今も目に焼き付く。その一方、街中を猛スピードで駆け抜ける車を見るたびに、忌まわしい記憶に再び向き合わされる。「いつかまた、子供が事故に遭うんじゃないかと、心配で仕方がない」

◆川崎市宮前区の巻き添え事故

2012年1月1日、同区菅生1丁目の県道3差路で、右折しようとした無職女性=当時(32)=の車と、反対車線を直進してきた被告の車が衝突。はずみで女性の車が道路沿いの民家の植え込みまで押し出され、歩いていた会社員男性ら3人をはねた。ともに自動車運転過失傷害の疑いで書類送検されたが、女性は不起訴に。起訴状によると、被告は当時、制限速度40キロの道路を95~100キロで走行していた。

【神奈川新聞】

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