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ビキニ水爆事件の被害、写真で伝える

社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月7日(月) 03:05

ビキニ事件で三崎が受けた被害などを紹介している写真展=三浦市三崎の複合施設「うらり」
ビキニ事件で三崎が受けた被害などを紹介している写真展=三浦市三崎の複合施設「うらり」

米国によるマーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験から60年の節目に合わせ、三浦市三崎の被害に光を当てる試みが地元で進められている。静岡県焼津市の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」ほど知られてはいないが、三崎港を母港とする漁船が数多く被ばくした事実を後世に引き継ごうと、三崎の複合施設「うらり」で写真展を開催。20日には市民集会を開く。

企画を進めるのは、市民有志らによる「ビキニ被災60周年・三浦市民集会」実行委員会。ライターで実行委員長の森田喜一さん(79)=同市栄町=は、米国から支払われた慰謝料が都道府県別で神奈川が最多だった点を挙げ、「三崎が経済的に最も打撃を受けた」と指摘する。

当時、三崎はマグロの水揚げ基地として栄えていたが、放射線検査の結果、150隻を超える船から200トン近い魚が廃棄された。三崎港を母港とするマグロ漁船に乗り、後に急性骨髄性白血病で命を落とした元船員もいる。

こうした被害の実相を語り継ごうと20日まで開催中の写真展では、約20年前に森田さんがまとめた「ビキニ事件三浦の記録」に収録された写真や都立第五福竜丸展示館から借りたパネルなど約90点を紹介。被ばくした三崎の漁船やマグロの放射線検査、廃棄処分の状況などを取り上げている。

「うらり」で20日に開く市民集会は、60年前に水爆対策三崎町民大会が開かれた日にちに合わせた。立命館大学名誉教授の安斎育郎さんの記念講演に続き、広島の被爆者やビキニ事件を経験した市内在住の元マグロ船員、福島第1原発事故の被災者が登壇する。森田さんは「ビキニ事件を知らない若い人たちに語り継いでいきたい」としている。

午後1時からで、入場無料。問い合わせは、実行委事務局電話046(882)3467。

【神奈川新聞】

 
 

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