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41歳男性、川崎市立看護短大入学「地域医療の担い手に」

社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月5日(土) 03:00

女子学生に交じり、入学式に出席した小林さん=川崎市幸区の市立看護短期大
女子学生に交じり、入学式に出席した小林さん=川崎市幸区の市立看護短期大

働き盛りの40歳代前半にして、看護師資格の取得を目指す男性がいる。4日、川崎市立看護短期大(同市幸区)に入学した小林一貴さん(41)=横浜市港北区=は海上自衛隊や、ものづくりの現場を渡り歩いた異色の経歴の持ち主。ふた回り近く年下の女子学生に交じり、2度目のキャンパスライフをスタートさせた。

今期の新入生79人のうち「男子」は3人。前後も隣も異性ばかりだ。「こんなに多くの女性の中に入るのは初めて」とは元自衛官らしい感想だが、環境の変化を苦にしないのも小林さんの持ち味だ。

専修大経営学部を卒業後、海自横須賀基地所属の艦艇内でレーダーをチェックする「電測員」に。32歳で「ものづくりの最前線に挑戦したい」と、福島県のプラスチック金型製造会社へ転じた。

そこで海外工場の技術指導を任され、2年間タイに駐在。再び転機を迎える。現地で体調を崩した親戚を「国籍や宗教の隔てなく」病院で献身的に看護してもらったことに感銘を受けた。帰国後の昨年6月に退職し、競争率5倍の社会人特別選抜試験を突破した。

学生生活を共にする大半は二十歳前後の女性だが、小林さんは「リーダーシップを取りつつ、学内で同級生のモチベーションを高める役割も期待されている」。将来は地域医療の担い手を目指しつつ、「チャンスがあれば看護師の立場で海外に行き、活躍したい」と夢は膨らむ。

依然として女性職場のイメージが強い看護の世界だが、高齢社会を支える臨床現場や介護の担い手として、男性看護師のニーズは高まりつつある。ことし3月の同短期大卒業生81人のうち、男子学生は10人。武内和子看護学科長は「4、5年前から増加傾向にある」とし、今後も一定の伸びを示すとみる。100%に近い就職率に加え、「例えば女性看護師が苦手という、患者の個別性に応えるという意味で男性看護師の役割は大きくなっている」と話す。

小林さんと同級生になる松岡孝侑さん(18)=川崎市麻生区=は「介護の現場で働く父親のようになりたい」。村石健二さん(18)=同中原区=は「母の緊急手術の時、ICU(集中治療室)で男性が活躍する姿を見て、憧れが強くなった」と話していた。

【神奈川新聞】

 
 

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