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米軍家族のボランティアグループが発足3年、被災地支援も続ける

社会 | 神奈川新聞 | 2014年4月2日(水) 17:00

3月下旬に被災地支援で宮城県石巻市の保育園などを訪れた(ヘルピングハンズ提供)
3月下旬に被災地支援で宮城県石巻市の保育園などを訪れた(ヘルピングハンズ提供)

米海軍横須賀基地の軍人家族らでつくるボランティアグループ「ヘルピングハンズ」が、発足から3年を迎える。米軍人の夫を持つサリバン雅子さんの呼び掛けで集ったメンバーは、東日本大震災後の20人から275人に増え、支援の輪は海を越えて世界各地に広がっている。

3月下旬。サリバンさんは夫の赴任先の米・サンディエゴ海軍基地から一時帰国。長女と長男を連れ、同基地や横須賀基地、池子施設の25家族から託された紙おむつや衣服、文房具などの支援物資をミニバンに詰め込み、2泊3日で東北へ向かった。

1日目は宮城県石巻市の2カ所の保育施設を訪問。児童と英語を使って一緒に歌ったりして楽しいひとときを過ごした。2日目は福島県南相馬市の仮設住宅を訪れ、交流を深めた。

ヘルピングハンズは2011年4月、川崎市の避難所「とどろきアリーナ」などの被災者を支援しようと発足した。当初は20人だったが、インターネット交流サイト「フェイスブック」などを通じて支援の輪はどんどん膨らんだ。横須賀基地から米本土に戻った米軍家族も支援を続け、今なお毎月、世界各地から物資が届く。

遠く日本を離れても東北を忘れない-。そんな米軍家族の気質について、サリバンさんは「米軍家族は(米国以外の)海外に住むとき、その国を『ホスト・ネーション(受け入れ国)』と呼ぶ。自分たちも知らない土地でいろんな人に助けられているので、困っている人の気持ちはよく分かる」とうなずく。

例えば、福島の仮設住宅を米国人の女性メンバーが訪れた際、米国流の抱擁「ハグ」を住民に求めた。住民は戸惑いつつも抱きつくと、涙を流し始めた。直後、女性の前にはハグを求める列ができたという。米国人ならではの明るさとおおらかさが、被災者のふさいだ心を開いたのかもしれない、とサリバンさんは感じている。

今や被災地支援にとどまらず、日米友好の懸け橋となっている。米軍の準機関紙「星条旗新聞」の記者は「震災当時は多くの支援があったが、非公式のボランティアグループでこれほど長く続けているのは聞いたことがない」と話す。

サリバンさん自身、兵庫県尼崎市に住んでいた高校1年時に阪神大震災を経験しており、支援を継続する大切さは身に染みている。「支援団体も(東日本大震災から)3年をめどに支援を終えてしまうところが出てくるかもしれない。だから細く、長く続けていくことが大事。私たちにとって、友情はかけがえのないプレゼントだから」

【神奈川新聞】

 
 

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