大船署に綿引署長が就任、県警初の生え抜き女性トップ
社会 | 神奈川新聞 | 2014年3月20日(木) 09:00

県警初の生え抜き女性署長として、綿引緑署長(54)が19日、大船署(鎌倉市大船)に就任した。「署員一人一人の力を発揮して初めて署の力になる」。地域の最前線に立ち、市民の安全と安心を守る。
「伝統ある署の署長という重責を誇りに思います。住民の視点に立った仕事をしていきましょう」。着任の訓示で、そう呼び掛けた。前任は県警本部の被害者支援室長。扱う事案の6、7割は性犯罪だった。被害の実態に憤り「女性同士だから共感し、寄り添える部分がある」と思いながら、支援に当たってきた。
長かったのは交通畑。交通企画課では事故を減らすための企画・立案を担った。「交通事故も犯罪も、巻き込まれた被害者に『お気持ち分かります』なんてとても言えない」。だからこそ、「事件や事故、加害者をつくらない社会を築いていかなくてはならない」と力を込める。
夫と、成人した息子2人の4人家族。子育てと仕事の両立は難しかったが、経歴について回る「女性初」の職務をこなしてきた。
家族や近所の人のさりげない手助けに何度も救われた。「地域が何げなく支え合えるのはいいですよね」。そんな身近な関係づくりに大船署でも挑む。「地域を愛する住民の心があって初めて、犯罪をなくせるはずですから」
【神奈川新聞】