横須賀市立うわまち病院(同市上町)で手術中に執刀医が誤って肺動脈を損傷して患者を死亡させたとされる事故で、横須賀署が業務上過失致死容疑で捜査していることが17日、分かった。
事故が起きたのは昨年10月15日。市内在住の男性(59)に対し、胸腔(きょうこう)鏡という小型カメラを使って左肺下葉の切除手術を行っている際、女性医師(41)が誤って左肺動脈を損傷。男性は出血多量となって多臓器不全を引き起こし、同月26日に亡くなった。
同署は事故の直後に病院から連絡を受け、捜査を開始した。カルテなどの提出を受け、司法解剖も実施。医学的見地から調べを進めている。
この事故では、遺族が市を相手に、約4058万円の損害賠償請求調停を、横須賀簡裁に申し立てている。
申し立てでは、執刀医は市の使用者で、市に使用者責任があるとして賠償を求めているが、市側は、同病院は公益社団法人「地域医療振興協会」(本部・東京都)が管理運営しており、市に使用者責任はないとの見解を示している。
【神奈川新聞】