川崎市は17日、2017年度中に妊婦の歯科健診など健康づくり事業を始める方針を示した。健康意識が高まる妊娠期をとらえ、歯科受診を入り口に生活習慣が乱れがちな若い世代の健康づくりを促進する。
同日の市議会健康福祉委員会で報告した。全国20政令市で同市だけが妊婦の無料歯科健診を実施しておらず、市議会から事業化を求める意見が出ていた。
「(仮称)歯っぴーファミリー健診事業」は、例えば母子健康手帳の交付時などに参加を呼び掛け、歯科健診や歯面清掃・歯科保健指導を受けてもらい、禁煙や食生活などの改善に関する情報を提供する。
市はこれまで妊婦が参加する親子教室などで歯科受診の啓発に力を入れてきたが、自費で受ける必要があった。受診費用の負担軽減を図る方針で、来年2月までに助成額を含む制度設計を行う。
歯の喪失に伴って栄養が十分に摂取できなくなると、筋力や運動能力が低下する。このため、歯と口の健康は全身の健康のためにも重要とされている。