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戦争孤児の涙
四つ葉に願った幸せ(下)覚悟していた…でも運命はひどい

社会 | 神奈川新聞 | 2020年8月13日(木) 15:00

平和つなぐ 戦後75年 戦争孤児の涙四つ葉に願った幸せ(上)出征の夫へ「貴方の妻は私一人」

2020年08月13日 15:00

 「父と母の愛、そして別れの悲しさが伝わってきて、読むたびに涙が出ます」

 池本俊昭さん(75)=横浜市港南区=は母、紀美さん(享年24)が残した2冊のノート「私の思い出の結婚記」「主人の出征中日記」から両親の深い愛情を知った。顔を見ることなく沖縄戦で命を落とした父、俊雄さん(享年31)が考えてくれた自身の名前の由来も知ることができた。

 しかし、色あせた日記から浮かび上がるのは、新婚時代の淡い記憶だけではない。若かりし両親が直面した戦争の悲惨さがつづられていた。

いけないのだけど…泣かせて下さい

 裁判官だった俊雄さんの召集を紀美さんが知ったのは1944年9月7日。挙式のわずか1年3カ月後だった。紀美さんはこの日、出産を待たずに出征する夫への思いを書き残した。

 〈泣いてはいけないのだけど…。泣くだけ泣かせて下さい。やはり私は悲しいのです。可愛(かわい)い子供のせめて生まれてからと思っていたのに…。悲しいの。人生って楽しみばかりないのね〉

 そして、夫の無事を祈る言葉も。


池本俊昭さんの母の日記。幸福への願いを込め、四つ葉のクローバーの押し花が貼られている
池本俊昭さんの母の日記。幸福への願いを込め、四つ葉のクローバーの押し花が貼られている

 〈体だけは大切にして頂戴ね。用心はされるけれど、あまり丈夫でないから。そして、そして…

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