1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. アルジェリア人質事件1年:現役の日揮社員が語る「一日も忘れず」 “日米軍事一体化”で事業への影響懸念/横浜

アルジェリア人質事件1年:現役の日揮社員が語る「一日も忘れず」 “日米軍事一体化”で事業への影響懸念/横浜

社会 | 神奈川新聞 | 2014年1月17日(金) 00:09

犠牲になった社員らを悼むため日揮横浜本社前に掲げられた半旗=横浜市西区
犠牲になった社員らを悼むため日揮横浜本社前に掲げられた半旗=横浜市西区

アルジェリアのガス田施設がイスラム武装勢力に襲撃された事件から1年となった16日、駐在員ら日本人10人が犠牲となった日揮横浜本社(横浜市西区)では追悼の半旗が掲げられた。世界各地でプラント建設を手がける同社にとり、政情不安や地域紛争に巻き込まれるリスクは常につきまとう。事件がもたらした社内の変化、そしてこれからを現役の男性社員が語った。

「社内で事件のことを表立って口にする人はいない。ただ、少なくとも自分は一日も忘れたことはない」。男性はそう言い切る。「この会社で働いている限り、誰にでも起こり得ることだから」

中東やアルジェリアのプロジェクトに関わってきた。犠牲者、生存者ともに見知った顔があった。帰国した生存者と酒席をともにしたこともあったが、「事件については本人も話さないし、興味本位で聞くわけにもいかない」。社内ではセキュリティー対策の部署が強化され、例えば海外出張をテレビ会議で済ませるケースも増えてきたという。

□信頼感

それでも男性は「この仕事の魅力は現場にある」と話す。

ときに国家の命運を懸けた事業を請け負う。1週間で何億円という利益をもたらすプラントも多い。「発注先の期待も大きく、だからこそ必ずやり切る。中途半端は許されない、うそのない世界。さまざまな国の人がプロジェクトの遂行に強い連帯感でつながる。その熱量は社外の人には分からないかもしれない」

そして続ける。「あの事件で命を落としたのは、そういう思いを持っていた人たちだった」

現場では「日揮という日本企業」に対する厚い信頼を感じてきた。「日本人の協調性や責任感、勤勉さはどこの国とも違うと言われる。特にムスリムの人たちは情に厚い。アルジェリア人が命懸けで日揮社員をかくまったのも、そういう側面があったはず」

□リスク

現場で感じることが、もう一つ。「日本の強みは技術力だけでなく、宗教色がなく、欧米とは異なる独特の立ち位置にある。中立に近い立場として受け入れられている」

内戦に揺れたリビア、政情不安が続くエジプトにも日揮が手掛けたプラントがある。「民族や宗教をめぐる紛争のリスクがある国の仕事を受けられるのも、日本がいい意味で色がないからだと思う」

そしてこの1年、安倍政権は危機管理体制の強化を掲げ、国家安全保障会議(日本版NSC)を創設。集団的自衛権の行使を可能にするため、憲法解釈の変更に意欲を見せる。それは同盟国である米国の軍隊との共同行動に道を開くことを意味する。

「安倍首相はアフリカなどをトップセールスに回ってくれている。わが社にとっても事業開拓につながり、ありがたい」。男性はそう前置きし、続けた。「例えばイラクは米国企業はおろか、米国の特許を使用する企業も受け入れない。『金は出すが、軍隊は出さない』という日本の姿勢は批判もされるが、だからこそ広く受け入れられてきた。その前提が崩れ、米国と同一視されるようになれば、われわれのような企業に向けられる視線も変わってくる恐れがある」

【】

集団的自衛権に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング