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延焼共助で防げ 横浜の木造住宅密集地、住民ら「初期消火」に本腰

社会 | 神奈川新聞 | 2013年12月22日(日) 10:41

延焼防止に向け、住民と消防団員、消防隊員が連携して放水した訓練 =横浜市西区西戸部町3丁目
延焼防止に向け、住民と消防団員、消防隊員が連携して放水した訓練 =横浜市西区西戸部町3丁目

死者が最悪で2万3千人に上るとした首都直下地震の新たな被害想定が内閣府により発表された。市街地の延焼火災を主な被害要因とみる一方、自助や共助で大幅な減災が可能とのシナリオも描いている。個々の家庭で取り組む出火防止と地域の連携が鍵を握る初期消火。二つが車の両輪となれば、火災による死者数や焼失棟数は想定の20分の1に減らせるという。木造住宅密集地が広がる横浜市内では、大火への危機感を抱く住民が新たな試みを始めている。

丘陵地に木造住宅が連なる横浜市西区西戸部町3丁目。公園に並んだ3本のホースから、火元に見立てた敷地に向かって勢いよく水が放たれた。

11月に行われた木造密集地域火災対策公開訓練。同じような狭隘(きょうあい)地域の自治会関係者が見守る中、地元の西消防署と西消防団との連携を住民が確かめた。

最初にホースを握ったのは団員や署員ではない。現場に最も近い住民数人が協力し、地中に埋設された消火栓を開き、手際よくホースを延ばした。

「延焼を防ぐには、住民がいち早く消し止めるしかない。誰でも消火栓を扱えるよう訓練を重ねたい」と西戸部町3丁目自治会の寺島知昭会長(85)。台車にホースがセットされた可搬式のスタンドパイプ式消火器具を区からの貸与で1台備えているが、「さらに増やせないか」と知恵を絞っている。

■地域が宣言

西戸部町3丁目は、市が「防災上課題がある」と指摘する「密集市街地」(23地域、660ヘクタール)の一つ。これらの地域は古い木造の密度が高い上、道路が狭く消防車の進入が難しい。建て替えや道路拡幅、公園整備などの課題も抱えるが、費用や用地面から短期間での解決は困難で、出火防止と初期消火が減災のキーワードになりつつある。

密集市街地が市内最多の5地域ある南区でも、今秋から延焼火災対策が動きだした。中村地区の6自治会が市内初の「木造住宅火災減災取組宣言」を行い、避難や初期消火の方法などを考える図上訓練を順次始めている。

取り組みを通じ、「延焼に対する危機感、防火の意識は以前にも増して強くなった」と中村地区連合町内会の吉井肇会長(67)。南消防署は他の密集市街地にも宣言を行うよう働き掛けていく考えで、「延焼火災には、消防隊や消防団だけでは対応できない。少しでも食い止められれば、避難もしやすくなる」と共助の力に期待する。

■避難も大切

港北区篠原地区は23地域に含まれていないが、木造が立ち並び、延焼リスクは高い。地元の公園に今月、水道管の損傷や停電に備え、複数系統から取水できる消火栓が整備された。

篠原地区連合自治会の川島武俊会長(62)は「原点に戻る気持ち」とこれを歓迎。整備を機に実施した訓練では、最近はあまり行っていなかったバケツリレーを取り入れ、初期消火の大切さを再確認した。「国も出火防止、延焼防止を呼び掛けている。何よりも命を優先に取り組みたい」と意識を新たにする。

首都直下地震の被害想定で最悪のケースとされた冬夕方(風速8メートル)では、火災により41万棟が全焼し、最大で1万6千人が死亡すると予想。だが、揺れを感知して電気を遮断する「感震ブレーカー」の設置や初期消火でそれぞれ2万1千棟、800人に減らせるとした。一方で、逃げ遅れなどによる「避けられた死」を防ぐため、消火に関わらない人は火を見ずに早めに避難するよう促している。

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