長崎出身の被爆3世の女性(30)が、原爆の実相を伝える陶磁器の制作を続けている。熱風で変形した「被爆の瓶」を3Dプリンターで再現した作品で、8月8日から川崎市中原区で展示会「ナガサキを忘れない 祈りの花瓶展2020」を開催。75年前に郷里で起きた惨劇に多くの人が思いを寄せるきっかけになればと願う。
被爆の瓶の再現に取り組むのは、東京都世田谷区のデザイナー毎熊(まいぐま)那々恵(ななえ)さん。幼少期から原爆投下直後の悲惨な光景を被爆者の祖母に聞いて育ってきた。ただ、「長崎に住んでいればそれほど珍しいことではない」こともあり、地元を離れるまで自身が被爆3世であることを特に意識したこともなかったという。