土地の貸借契約が満了する2016年3月31日での閉館が決定している県立近代美術館鎌倉(鎌倉市雪ノ下)について、日本建築学会は19日、同館の保存、活用を求める要望書を県に提出した。建物の価値が社会的、文化的に高いと指摘している。
黒岩祐治知事宛ての要望書では、日本の近代建築界を代表する建築家、坂倉準三さんが設計した同美術館について「近代的でありながら、日本古来の美意識を感じさせ、内外空間を流動的に結びつけた秀逸な設計」と評価。坂倉さんの師ル・コルビュジエが後に設計した国立西洋美術館(東京・上野)の構想実現に寄与した重要な作品でもあるとして「かけがえのない文化遺産が永く後世に継承」されるよう訴えた。
同館の保存については10月にも、日本建築家協会による要望書が県に提出されている。県は14年度中に建物の保存の可否について方針を示したいとしている。
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