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#あちこちのすずさん
東京の空が燃えた夜 疎開先に母が逃げてきた

社会 | 神奈川新聞 | 2020年7月31日(金) 15:24

(ふーちゃん=女性、82歳)

 東京・新宿の国民学校で1年生の3学期になる頃だったでしょうか。戦争が激しくなり、「小国民」は地方に疎開をさせようということで、「集団疎開・縁故疎開のどちらかを選択してください」と学校から通達がありました。

 私は、母の里である埼玉の久喜に預けられ、東京とは違う遊びに慣れようと苦労の連続でした。

 あの晩、「早く起きろ、東京が燃えている!」と祖母に起こされ、縁側から南の方向を見ると、畑のずっと先、林の向こうの空が真っ赤でした。

 「東京の家は焼けただろう」。眠い頭で家族のことには思い至らず、せんべい布団にパタンと寝てしまいました。

 翌朝も普段通り、学校に向かいました。学校から帰ってハッとしました。ちゃぶ台で母がご飯を食べていたのです。焼け焦げた跡のあるもんぺ姿で、髪の毛もボロボロでした。

 疎開のおかげで空襲の恐ろしさは直接体験しませんでした。中学生の頃は、友人と疎開の思い出を話し合うこともありました。集団疎開をしていた男子が「腹が減って、歯磨き粉を食べた」と言っていました。

 父母が亡くなって40年、兄は数年前に亡くなり、戦災のことを話し合える家族はいなくなりました。


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