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秘密保護法案:疑問置き去り暴走、市民の批判頂点に、原発避難者「うそや改ざん合法に」

社会 | 神奈川新聞 | 2013年12月6日(金) 23:24

特定秘密保護法への批判が頂点に達した。国民に知らされるべき情報が隠される-。根本的な疑問を置き去りに成立に突き進む与党の姿が権力の暴走を先取りする。空襲体験者に原発避難者、そして街中で声を上げ始めた市民。それぞれの切実な訴えは戦後日本社会のありようをそのまま問うている。

■何も知らされなかった

政府が不都合な情報を隠すことにお墨付きを与える法律に「どうしてこんなことを考えられるのか。安倍首相や周りの人の考えが想像もできない」。横浜大空襲の体験者として、その実態調査・研究に携わる小野静枝さん(81)=横浜市神奈川区=は憤りを隠さない。

最近は法案をめぐる報道を見ることがつらかったという。特に怒りを覚えたのは、自民党の石破茂幹事長が法案に反対する市民のデモを「テロ」と表現したことだ。「市民の声が『テロ』と考えられていることが恐ろしい。本音が出たのではないか」

焼夷(しょうい)弾の雨をかいくぐったのは13歳の時。なぜ、自分たちは悲惨な目に遭わなければならなかったのか-。調査を行うなかで米国に比べ、日本の情報公開制度の遅れを知った。時代に逆行しているだけでなく、「一つ隠すことから始まり、エスカレートしていくことが心配」。不利な戦況をはじめ国民に情報が隠されたまま、破局を目の当たりにした経験がそう言わせる。

■弱い立場を踏みにじる

原発事故の影響で福島県南相馬市を離れ、横浜市旭区で避難生活を送る村田弘さん(71)は「個人の尊厳や人権よりも国家が上位にあるということ。避難者といった弱い立場の人たちは踏みつぶされてしまう」と懸念をあらわにする。

国と東京電力に損害賠償を求める訴訟を県内の避難者らと起こした。「責任を問うのは司法しかない」。だが、「原発については秘密やうそ、改ざんがまかり通っていた。秘密保護法でテロ防止という理由がつけば、それらがすべて合法となる」と事故の責任追及が困難になることを恐れる。

避難生活は間もなく千日。この法律は原発という負の遺産を覆う「カバー」に映る。「事故によって安全神話は吹き飛ばされたが、骨組みだけの醜い姿はすぐに建屋で覆われた。秘密保護法は、さらに秘密のカバーをかぶせるようなものだ」

■全権委任のはずがない

同市旭区の会社員宇野登志樹さん(49)は5、6の両日、仕事が終わった午後7時ごろから国会前へ向かい、デモの輪に加わった。市民団体には属していないが、「反対している市民がいることを伝えたい」と一人で反対運動に参加している。

ふと手にした雑誌の記事で反原発の訴えに共感を覚え、ことしからデモや集会に足を運び始めた。原発に関する幅広い意見や情報が交わされる現状は、「日本の言論の自由を感じる」。

だが、特定秘密保護法は、国民の「知る権利」を脅かすと懸念する。「言論に圧力や制限がかかり、情報を十分に得られない社会を想像すると、とても怖い」

市民の反発にもかかわらず与党は強行採決に踏み切る。「与党が多数の議席を握っているからといって、何でも許されるわけではない。おかしいことはおかしいと声を上げ続けたい」

【神奈川新聞】

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