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化粧品「白斑」被害、県央地区の女性「いつの間にか裏切られていた」/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2013年8月25日(日) 00:10

「おまえ、何だその顔は」

夫が驚くほどの異常が肌に現れたのは今年2月。前髪の生え際の皮膚が、明らかに白くなっていた。

県央地区に住む70代の女性。2年前から、自主回収の対象となったカネボウ化粧品の乳液や化粧水を使っていた。だがそれが原因だとは、7月の自主回収発表まで、考えもしなかった。

「年齢のせい」と諦めようとしたが、知人に見られるのが嫌で外出は減った。仕方なく外出する時は、額や目元を前髪で念入りに隠して出掛けた。気付かれると、「年だから変なの出てきたのよ」。精いっぱいの笑顔でごまかした。

一人になれば、鏡に映った自分の顔に向かい、吐露した。「全部、皮膚がはがれてしまえばいいのに」

「俺にも(症状が)うつりはしないか」。夫の何気ない言葉に傷ついた。

肌が弱いと自覚していた女性は、20代後半からカネボウの化粧品だけを使ってきた。「大企業で信用できるから。“浮気”はしなかった」

年を重ね、孫が生まれて「おばあちゃん」と呼ばれるようになっても、「いつまでも『女性』でいたい」という気持ちは変わらずにあった。美の象徴でもある肌の白さに憧れた。なじみのドラッグストアの店員に薦められ、美白化粧品を使い始めた。

「白くなった」という自覚はなかったが、使っていることで得られる安心感は大きかった。

3月に通院を始め、2カ所目の診療所の治療で進行は抑えられるようになった。「命を落とすような被害ではなかったけれど…」。努めて冷静に受け止めようとするが、生え際から額全体や眉周辺、鼻の下へと白斑が広がっていった、あの時の言いしれぬ不安と恐怖は、今も胸を痛める。

お盆明けに、カネボウの担当者が謝罪に訪れた。「すみません」と頭を下げ続ける担当者に、文句を言うことはできなかった。

だが、もうカネボウの化粧品は使えない、いや使わない。

「被害報告は早くからあったのに、小さな悲鳴を拾わなかった。私たちはいつの間にか、裏切られていた」

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