
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士野口聡一さん(55)が搭乗するのは「クルードラゴン」の運用初号機。米国からの有人宇宙船の打ち上げは、2011年に退役したスペースシャトル以来途絶えており、後継機が待たれていた。本格運用を前に、5月末に米航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士2人が国際宇宙ステーション(ISS)に飛行。8月上旬に地球に帰還予定で、帰還時のデータに基づき安全性などを評価した上で、運用初号機が飛行する。新型宇宙船やこれからの宇宙開発、またコロナ禍の中、宇宙に向かう思いを野口さんに聞いた。
-2005年のスペースシャトル、09年のロシアのソユーズ宇宙船に続き、3回目の飛行も目前だ。
「いつ打ち上げになっても大丈夫なように、後は訓練するのみ。今回はクルードラゴンへの搭乗で、3種類の宇宙船に乗れる飛行士はなかなかいない。これも巡り合わせ。宇宙飛行士冥利(みょうり)に尽きる。その一人が日本人ということで、誇りを感じている。まずは無事に帰還することが第一だが、宇宙船による帰還方法の違いにも注目してほしい。スペースシャトルはコンクリートの滑走路に、ソユーズは大地に着陸。新型宇宙船は大西洋に着水する」
-新型宇宙船の操作はタッチパネル式で、ISSとのドッキングも全自動。宇宙服も軽装な印象だ。

「ソユーズと比べ、飛行時間は格段に短くなっている。5月末の新型宇宙船初飛行は、慎重に運用した上でISSのドッキングまで20時間前後。私たちもそれくらいの時間でドッキングできると思う。宇宙服も新しい宇宙飛行の到来を感じさせるような、ワクワクするデザインになった。宇宙服は打ち上げや帰還時に飛行士の体を守る重要な安全装置なので、しっかり機能は保ちつつ、非常に軽く、動きやすくなった」
-今回のミッションは。