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県内バイク事故死、全国最悪 プロテクター着用低迷

社会 | 神奈川新聞 | 2020年7月6日(月) 21:47

胸などを保護するプロテクターを着用し、「ライダーの安全確保に不可欠」と呼び掛けるナップスの担当者
胸などを保護するプロテクターを着用し、「ライダーの安全確保に不可欠」と呼び掛けるナップスの担当者

 県内でバイク乗車中の死亡事故が後を絶たない。2019年の死者は全国ワーストの49人、今年上半期も前年を上回るペ-スで28人が犠牲になっている。負傷部位は胸と腹部が多いが、保護に有効とされる「バイク用プロテクタ-」の着用率は低迷している。ヘルメットと違い、着用が法律で義務づけられていないものの、県警は「無防備な状態で致命傷を負う現実がある。命を守る装備について真剣に考えてほしい」と訴える。

 県警によると、19年に死亡した49人の主な負傷部位は、頭部が20人で最多だったが、胸部(19人)と腹部(6人)で半数を占めた。県警交通総務課は「バイク乗車中は体がむき出しの状態。事故でライダ-が負うダメージは計り知れない」と警告する。

 こうした実態を踏まえ、県警は胸腹部などを保護するプロテクターやエアバッグ内蔵ジャケットの着用を推奨しているが、ライダーには浸透していない。県警がバイクに乗る人を対象に16年から行っている調査では、着用率は2割に満たない。

 19年の着用率は18・7%。排気量が大きいほど着用率は上がるが、125㏄以下のバイクではほとんどの人が着用していなかった。着用しない理由では「面倒」「高価」「プロテクターの存在を知らない」との答えが大半で、「未着用でも法律違反でない」「夏は暑いので着用しない」「近距離の移動なら必要性を感じない」との回答もあった。

 首都圏を中心に全国でオートバイ用品店を展開し、プロテクターなどの普及啓発に努める「ナップス」(本社・横浜市中区)によると、胸や腹、背中を保護するプロテクタ-は数万円の高価なものもあるが、6千円程度から購入できるモデルもあるという。

 転倒などで衝撃があった場合のみ硬くなる素材を用いるなど、装用感を向上させたものも登場している。同社は「胸や腹が致命傷になることがあまり知られていない。命を守る上で、金銭面や煩わしさは問題にならない。ライダーにとってプロテクターは必需品」と強調する。

 県警によると、今年も6月末現在で、バイク乗車中の死者は前年同期比8人増の28人と深刻な状況。交通総務課は「移動距離や排気量に関係なく、命を守る装備を万全にしてほしい」と呼び掛ける。

転倒、ガードレールに胸を強打 「プロテクターなかったら…」


男性が転倒時に着用していたジャケット。胸の辺りに裂けた痕が残る。プロテクターを装着していたため、大事に至らなかった
男性が転倒時に着用していたジャケット。胸の辺りに裂けた痕が残る。プロテクターを装着していたため、大事に至らなかった
 
 

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