歯による遺体の身元確認方法を警察官が学ぶ「法歯学研修会」がこのほど、神奈川歯科大学(横須賀市稲岡町)で開かれた。県警捜査1課の検視官や署の刑事課員ら若手約60人が、遺体に似せたマネキンの口腔(こうくう)内の写真を撮ったり、所見を記録したりした。
警察官らは歯の構造や虫歯の種類など、歯科の基礎知識を学習。マネキンを使った実習では、日本厚生協会(東京都千代田区)理事長で歯科医師の山本伊佐夫さんらの指導を受けながら、歯に紫外線を当てると詰め物が判別しやすいことや、記録の作成方法などを学んだ。
同大大学院災害医療歯科学講座の山田良広教授は「身元確認の際、歯の所見がある場合は、DNAより早く、費用もかからないので非常に有効」と説明。参加した大和署刑事1課の高橋清美巡査(23)は「今まで知識がないままやってきた部分もあったので役に立った。今後の業務につなげたい」と話した。
研修会は今年で3回目で、同大大学院横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センターと日本厚生協会が主催した。